「ん、ん〜〜ッ…」 初めての感覚にされるがまま翻弄され、唇を塞がれてしまい呼吸のままならないカガリはくぐもった声を上げる。 舌が絡まると、背中からゾクっと震え、掴んでいた白衣を強く握り締めると、気が付いたようにアスランは唇を解放した。 「こっ、…こういうキスは今度って言ったじゃないかぁッ!」 心の準備などなかったカガリは、瞳を潤ませて抗議する。 「いや…、カガリが可愛く誘うから…つい。……済まない…」 苦笑いしながら、宥めるように頭を撫でて、抱き締める。 優しく撫でられる感触が嬉くなったカガリは黙ってアスランの腕に収まる。 暫くそうしていると、夕日が翳り出した。 「…カガリは、暗くなる前に帰らないとな…」 深い溜息を吐きカガリの頬を撫でながら密着していたお互いの躯を離す。 「ぅ、ん…」 ――― 一緒に帰るわけには、いかない。 判ってはいるが、カガリは寂しさにアスランの白衣をちょこんと指先で掴んだまま離せずにいた。 |