辺りにいた大人達が泣き出したカガリに気が付き心配そうに近寄ってくる。 「どうしたの?」 「迷子かなぁ?」 「誰と来たのかなあ?」 「…ひっく…、にぃちゃ……いな…いっ……っく」 しゃくり上げ手の甲で涙を拭いながら、途切れ途切れ答えるカガリ。 「あなたのお名前は、なんて言うのかな?」 「……かがり…」 「じゃあ、カガリちゃんはお兄さんと二人だけで来たのかな?」 「……うん…」 「お兄さんのお名前は?」 「…ふぇ…?…なまえ…?……おにいちゃん…」 知らない大人に囲まれて、心細さは和らいだものの、動揺しているせいか、カガリの口からはキラという名前がでてこない。 そんなカガリの様子に、困ったような表情を浮かべる大人達。 |