Short story

□Pass each other
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そんなカガリの様子に気が付いたらしいアスランは、視線を逸らして、ポツリと一言。




「…ごめん」






何の為の謝罪なのか、その言葉の意味すらカガリには理解できなかった。




「何だよ、それはっ…」


言い切らないうちに、その腕に引き寄せられそうになり、本気で抵抗する。





「離せ、このバカッ…!! そんな事で誤魔化されるかっ」




自分自身でよく判らない感情がカガリを支配し、躯が震えてくる。





「カガリ」



―――優しく、囁くようないつもの声。





それなのに、───今は苦しい。




「何なんだよ!
お前っ…優しくしたり、いきなり知らない奴みたいになったりして……ッ」





抵抗も虚しく、その強い腕にとうとう包まれてしまった時、最後は声が擦れていた。





「私は、…お前が、わからない……」





零れ落ちる、涙。










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