───オーブ行政府内 「ちょっと待てッ…!? 1週間のオフって…?」 慌てたようなアスランの声が静まり返った室内に響き渡った。 「あぁ。お前もたまには休まないと」 「君はどうするんだ?」 「私は閣議もあるし、休みなんて取れるはずないだろう」 「だったら…」 「大丈夫だ。その間の護衛なら手配済みだ」 ―――じゃあな。と笑うとカガリは歩いてゆく。 Pass each other 「おい、ちょっと待て! ―――カガリ!!」 一瞬の間の後、慌てて追い掛けたアスランはその声の主───カガリの腕を掴む。 「なっ…なんだよ!」 君は護衛を他の奴に…? ───それを…、 「本気で言ってるのか?」 「だから、何をだよ?」 「…判った、もういい」 ふう、と溜息を吐く。 きっと、その意味になど気が付いていないカガリに少々苛立ちにも似た感情が湧いてくるようだった。 「何を怒ってるんだ?」 そう言われた瞬間、アスランはカガリの両手首を掴むと、壁に追い遣りその細い躯を押し付ける。 そして、 ―――強く、握る。 「痛っ…、アスラ…」 「このまま…。あの時みたいに…」 |