ギアス文
□契約の行方は
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あきあさぶ様のサイト『しあわせの青』に送りつけさせて頂いたssで、final turn後妄想。ルルC(Cルル?)のifで、C.C.が乗っていた荷馬車の御者がルルーシュだったら…の話です。拙作ですが楽しんで頂ければ幸いです。
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「少し違うか……なぁ、ルルーシュ」
何処までも広く深い青空の下、揺れる荷馬車の、藁の上で、c.c.はある一人の少年の名を呼んだ。それはもうこの世にはいない筈の人間の名前だった。そう、少なくとも社会的には……
「ああ…そうかもしれないな」
ルルーシュは目を細めて柔らかく微笑んだ。それは以前の彼からは想像も出来ない程穏やかな表情だった。
「ふっ、随分と穏やかになったものだな。…それで? 此から何処へ行くつもりだ?」
「オーストラリアにマオが買った家があっただろう? ほとぼりが冷めるまで、暫くはそこで一緒に暮らそう」
「おやおや、まるで愛の告白のようだな」
「……契約したからな、お前の願いを叶えると」
「俺が、お前の本当の願いを叶えてやる」
c.c.は軽く目を見張り、軽快に荷馬車を操るルルーシュの後頭部をじっと見つめた。そして、不意にふっ、と笑った。それは何時もの皮肉気なものではなく、嬉しそうで、けれど今にも泣き出してしまいそうな、そんな笑顔だった。
「…………大した自信だな。お前に出来るのか?」
「愚問だな。俺を誰だと思っている?」
「『ルルーシュ』だろう? それ以上でもそれ以下でも無い、ただの『ルルーシュ』だ」
「そうだ。『ランペルージ』でも『ヴィ・ブリタニア』でも無い。その俺だから、お前と共に明日を生きる事が出来る」
『ヴィ・ブリタニア』であった時は無理だった。――皇族の影にいるのは魔女だったから。
『ランペルージ』であった時は、『ゼロ』であった時は無理だった。――かのテロリストの契約者もまた、魔女だったから。
けれど、今はもうそうではない。ただの『ルルーシュ』という名の少年と共にあるのは、魔女としてではなく、ただの一人の少女であればよかったから。
「ふふ……では責任を持って叶えて貰うぞ。でなければ契約不履行で訴えてやるからな?」
「手厳しいな」
困ったように苦笑するルルーシュを、c.c.は楽しげに見やった。
「わかっているだろう? …私はc.c.だからな」
そう言ってc.c.は、何時ものように傲慢に、けれど何処か甘く笑った。
END.
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ひたすら甘く……を目指しましたが…………いかがだったでしょうか?
私個人としては、この後、二人がオーストラリアで新婚さんのごとくあまあまな生活を送る事を希望します♪
幸せになってしまえ☆