ギアス文
□ただ願うのは
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おまけ
物陰から様子を窺っていたルルーシュは、カレンが立ち去るのを確認するのと同時にほっ、と息を吐いた。
世間には(悪い意味で)顔が知られているので、一応変装はしていたのだが、まさか知り合いとはいえすれ違った一瞬で気付かれるとは思っていなかった。幸いにもカレンははっきりと此方を確認した訳では無いらしく、気のせいだと思ってくれたようだが……
「やれやれ………だから言ったんだ。日本へ戻るにはまだ早いと。ばれたらどうする積もりだったんだ?」
隣りで同じようにカレンの様子を窺っていたC.C.は、溜息混じりに呟き、横目でルルーシュを見遣った。
「煩い。ただ俺は……」
「心配だった、か? あいつらが。ニュースで見ただろう? ナナリーもスザクも元気にやっているようじゃないか。
それに、お前が此処に来たところで、出来る事など何も…」
「わかっている…!! そんな事は………だが…」
振り返り、一瞬C.C.に鋭い視線を送るも、言葉尻は弱まり、視線はゆらゆらと頼りなく揺れた。
「相変わらず過保護だな。そんなに心配なら、さっさとあいつらに会いに行けばいいと、そう何度も言っているだろう?」
「今更……どの面さげて会いに行けると言うんだ」
完全にC.C.から視線を逸らし、何かに耐えるように拳を握り締めるルルーシュに、C.C.は眼差しを微かに和らげ、優しく言った。
「……喜んで迎えてくれると思うがな。たとえ……今のお前が、既に人間ではなくとも」
「………知っている。だから、俺はそれに甘えてはいけないんだ」
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは既に死んだのだから、と、ルルーシュは俯き、儚く笑った。それは過去に思いを馳せるようでもあり、自らを嘲るようでもあった。
「……後悔しても知らんぞ」
「後悔などしない」
「頑固者め」
「頑固で結構だ」
「………」
「………」
やれやれ…と、C.C.は内心溜息を吐いた。
(これは私が一肌脱ぐしかなさそうだな)
まったく、世話の焼ける坊やだ。
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はい、すみません。
ルルーシュ生き返っちゃいました。もう追悼文じゃないですこれ……(汗) しかも何だか続くっぽい終わり方に…
最終回、ギアスという作品的には良いラストだとは思いましたが、やっぱり悲しかったので原作に全力で反逆してみようと思います!!
拙作ですが、楽しんで頂ければ幸いに思います。