コナン短編

□黒猫は何もしらない。
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高校生活最後の正月が明けて5日後.......



「服部!こっち。」

米花駅にオレを迎えに来た工藤はその腕に小さい黒猫を抱えとった

この寒い美空に例え気紛れでも、
拾われた野良猫は工藤にエライ媚びを売って抱っこされたまま客人のオレを差し置いて
玄関もあっという間にスルーしてしもて
リビングの電気カーペットの上で降ろされた子猫は
辺りをキョロキョロ見回してから今度は毛づくろいを始めたんや

「……服部、晩飯まだだろ?シチューしかねーけど、いいよな」

「お、おう。」

サラダを作る為に冷蔵庫を開けてレタスとアスパラを野菜室から取り出しながら工藤がにこやかに言うたんや。

「悪ィけどさ、キャットフード買って来てくれよ。」









「有難うございました〜」
コンビニからの帰路をトボトボ歩きながら
「……何しとんねんオレは。」
とこぼす。


工藤に会うのは2ヶ月ぶりや

2ヶ月前、黒の組織を壊滅に追いやった日......

歓喜に揺れる警察関係者達の陰で
オレは工藤を抱きしめたんや

小さい身体は震えとった
そんで
何や知らんけど
胸が苦しくなってしもて…………


そんで


何や解らんけど

“キス”

してしもて………

言うとくけどオレは
普通に女の子が好きな
“ノーマル”や!


ホンマに何であんな事してしもたんか自分でもよぉ解らんねん



何や自然にと言うか



何となく、て言うか……



オレも
工藤も
何も言わんかった


で、この2ヶ月間ずっと連絡不通になってたんやけど正直、
受験勉強どころやのぅなって東京に出てきたんや



雪は止みそうもないな........
 
 
 
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