コナン短編

□黒猫しか知らない。
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高校生活最後の正月が明けて5日後.......



米花駅に行く途中、猫を拾った
真っ黒な毛色に何故かこれから来る客人を思い出したんだ

「服部!こっち。」

改札を抜けた服部は俺を見つけて手を上げた
いつもなら馬鹿みてーに大声で
「おぅ!坊主〜、元気にしとったか〜?」
て叫ぶのに…
まぁ、
今の俺は“坊主”じゃねーんだけど


下から見上げていた服部は前よりも背が伸びたと思う
『まだ成長期なのかよ』とからかってやりたいけど、今日は並んで歩くだけにした




家に帰り着いてお茶も煎れずに
俺はキッチンへ向かった
リビングで所在なさげにウロウロする服部と
来たばかりなのにカーペットの上で堂々と毛づくろいをしている黒猫があまりに対照的で吹き出しそうになりながら俺は服部をお遣いに行かせた。



服部に会うのは2ヶ月ぶり

2ヶ月前、黒の組織を壊滅させた日........

FBIも追っていた世界的組織の本部を叩けた歓喜に沸く警察関係者の間をすり抜けて外へ出ると
アイツが目を潤ませて抱きついてきた


そして
突然
“キス”
してきた………

夢でも見てるのかと最初は思った
けど、
確かに暖かくて柔らかい唇が触れていた


『服部にそんな趣味が有ったのか?』
と一瞬頭をよぎったが
今ここで聞くのは躊躇われた


アイツも
俺も
何も言わなかった


それからお互い連絡も取らずに
受験勉強の合間に新聞の事件解決欄で相手の存在を確認していた



服部から電話が来たのは大晦日の夜だった。



真っ白な雪は積もり始めていた........
 
 
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