コナン長編

□車線変更Act.2 瘡蓋―カサブタ―
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世間では花粉症の人口が増加している現状を
異常気象や温暖化の影響だと騒いでいる大学3年になろうとしていた、3月の始め




地下鉄の吊革に捕まっている服部平次は日常的な………

「何買って貰おうカナ〜。カルティエのバッグでもいい?」

「カルティエ?お前それ高すぎるだろ?」

「バレンタイン私頑張ったんだよ〜?ね、バッグがいい〜」



後ろに立っているバカップルの女がはしゃぐ声が一気にテンションを下げた

バイク所持の平次が地下鉄に乗ったのは今朝出掛けに近所のバイクショップに愛車を車検の為に預けたからである


「(これやから電車は嫌いやねん…)」


と心の声が聞こえてきそうな溜め息が漏れた


来週はホワイトデー


カップルにとっては大切なイベントだが混雑した車内で騒ぐのは止めて欲しい

だがコレだけではなく
平次がブルーになるには大きな理由があった


それはつい2時間前に遡る…見覚えのあるシャツの後ろ姿に声を掛けた


「珍しいとこで会うなぁ」


そんなに驚かせるつもりで声を掛けたんや無い
街中で会うやなんて思ってへんかったし、久しぶりやったから何や嬉しゅうて肩を叩いてん


「!服部っ!?」


新一は明らかに動揺してん

そんで手に持っとった小さな紙袋を後ろに隠したんや、で、改めて新一の出て来た店に気付いた


「別に隠さんでええやん、蘭ちゃんへのお返しやろ?」

「……ああ」

「何買ぉたん?」


聞きたくないのに聞いてまう……


少し顔赤いで、新一?


「………何だっていいだろ」


不機嫌な顔……ホンマに聞かれたく無いんやな

ここで話題を変えたらお前はホッとするんか?


「照れとんのかいな?カ〜ワエ〜の〜工藤?」

「言ってろ。そういうおめぇは?」

「大学ン奴と来てんねん」



分かっとるで新一

自分がホンマに聞こうとしたんは別の事やろ?


「お−−い、服部ぃ!」
 
 
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