コナン長編

□車線変更Act.2 瘡蓋―カサブタ―
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数b先の喫茶店の前で2人の友人が手招きしている


「ほな、また」

「ああ、」




オレ達が即物的に体を求め合う様になってから
もう直ぐ丸2年が経過しようとしとるけど


そこには言葉は存在せぇへん



あの日
2人で決めた《ルール》




「ぅお〜い、聞いてんの?服部ぃ〜?」


ツンと短い髪を立てた秋川朋樹に目の前で手を振られて我に返る


「ボーっとしてる、どうした?」


自分と同じく秋川の買い物に付き合わされた池田葉一郎のどこかクールな問いかけに


「スマンスマン。何の話やったかいな?」

「お前もう買ったんだろ?バレンタインのお返し。ぶっちゃけ幾ら遣ったかって話」

「値段じゃあ無いだろう?大体朋樹はフンパツし過ぎ。義理に五千円て有り得ない」


珈琲にミルクを注ぎながら池田が呆れ顔で言う


「だって三倍返しは常識じゃん!なあ、服部?」

「………買ぅてへんよ」

「「は?」」

「貰ってへんし」

「「えぇっ?!」」



咳を切った様に朋樹が平次に質問を浴びせる


「マジか?…お前にあげるって言ってた子、俺最低2人知ってるぞ?それにゼミ内で義理チョコ配ってたじゃん、それは?」

「貰ってない」

「何で?!年に一度の一大イベントだぜ?服部だったら軽く2、30は……なぁ、池やん?」

「……梶谷は?‥文学部の梶谷あずみからも?」


腕組みをして怪訝な顔で聞く


「…うん」

「ちょ、待て待て待て!梶谷って文学部の梶谷?ええーーー!?何でだよっ!勿体ねえ〜〜!」


ミスK大の梶谷あずみは男子の憧れの的だ
ふわっとした長い髪にパステルカラーのワンピースが良く似合う天然系の女子で入学時から注目されていた
 
 
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