コナン長編
□車線変更Act.3 自壊―ジカイ―
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「(平次、居てるかな〜♪)」
ずっと電話とメールのやり取りだけだったので嬉しさを感じずにはいられず、和葉は
「(そうや!驚かしてやろ)」
とチャイムも鳴らさずに服部家の門をくぐり、いつもの様に裏の縁側を突っ切る
これが平次の部屋への最短ルートだという事を幼馴染みの彼女は熟知していた
万が一誰かに発見されても咎められる事は無い
…あとは前方の階段を登れば目的地だ
物音を立てずにゆっくりと一段ずつ登っていくと次第に話し声が聞こえてきた
「(この声…工藤くん?来てたんや。……どないしよ…ノックした方がエエよね?でも…あの2人って普段どんな事話してんねやろ?)」
2人の探偵としての表情しか見た事が無い和葉は平次と正反対の新一との会話に自然と興味が湧いた
こっそりドアに近付き、聞き耳を立ててみるが急に静かになる
「(…あれ?アカン、バレてしもた?)
今度は僅かな隙間から中の様子を伺う
「………オイ、平次」
「何?」
「何、じゃねーだろ!大阪来いって誘っといて何処にも行かねー気か?」
「(へぇ〜!工藤君、平次の事名前で呼ぶ様になったんや。……変な感じ…。あのコナン君と工藤君が同一人物やったんやから当たり前と言えば当たり前か……でもコナン君が『平次』って呼んどるんやと思うと………何や笑える)」
「予定は立てとるけど……順序通りに進めな」
言い終わって新一にフレンチキスしてそのままベッドに押し倒す
「う、わっ!?」
乗っかってきた平次に潰されそうになりながら溜め息を1つ吐く
馬乗りになった平次が薄紫色のパーカーを脱いで半裸になる
「…………オイ、まさかこれも予定内つーんじゃねぇだろな?」
「エエやん、ネコは任せたで、新一………」
「バーカ」