TOD2
□爪先まで、想う
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「カーイルッ!」
ふわふわした、寝癖みたいな金髪に後ろから呼びかける
振り返ってこっちを見て、嬉しそうに笑う君の その笑顔が今日も好き
あのね、今日の私はね いつもとちょっとだけ違うの
昨日とはちょっとだけ、ねえ気づいて 全部あなたの為なのよ?
「ねえカイル、デートしましょうよ デート!」
「デ、デデデート?」
「そうよ、デート!こんなにお天気がいいんだもの!ね、いいでしょ?」
「う、うん」
デートの単語に耳まで真っ赤になっちゃって、カイルってば!
人通りが多いから手をつなごうって 手の平を差し出した
目を丸くして驚く姿に、つい笑っちゃって
つられてカイルも笑って 歩き出した時にはその手と手はしっかり繋がれていた
その指の、つま先まで
あなたのことでいっぱいなのよ?
(ねえ)
あなたは気づいてるのかしら?