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□君がすべて
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『コンラッドが分からない｡』
突然の有利の言葉に俺は、ただただぽかんとするしかなかった。
それが相当間抜けな顔だったのだろう。有利が吹き出す。
ああ。やっぱり有利は笑った顔が一番だな。などと、まったく関係無い事を考える自分がいて、苦笑した。
｢なにが面白いのさ｣
少し不満げな有利の声を聞いて、俺は我に返る。
そして、頬を膨らませている有利を見て、またもや苦笑する。
何故この人は、こんなにも可愛いのだろう。と
俺は黙って有利を引き寄せ抱きしめた。
抗議の声がくぐもったく聞こえたが、軽く無視する。
俺の主は素直じゃないから....
もっとミステリアスな自分を創るのも良い。
有利は、俺を理解しようと必死になるだろうから
その時有利の頭の中には、俺しかいないだろうから
だから....
有利を抱き締めながら、自分の独占欲の強さに呆れた。
そう俺は、こんな男。