本棚
□愛憎
1ページ/1ページ
人間とゆうのは実の面白い。
なぁ。お前もそう思うだろ?
眞王とおぼしき人影は、ソファーらしき物体に、ややふん反り返って座っていた。
組んだ長い足を、時々暇そうに揺らしながらも、特に何をするわけでも無く、ただ座っていた。
常人には、計り知れないような永い永い時間、彼はただそうしていたのだ。
時々気が向いたら、何となく下界を覗き見たりもした。
それが、日常。
何千年になるだろうか。
どれくらいこの場所に居たかなんて、さらさら数える気は無かったが、さすがにここまでくるとつまらない。飽きてくる。
そんな何千年目かの今。
少しだけ面白い事を見つけた。
そこまで深く考えず、だが決して眞魔国にって不易にならない王を選んだつもりだった。
それがどうだ。
まったく予測していなかった。
ここまで、俺の思い通りにならなかった王が、今までに居ただろうか?…いる訳ない。
ふん。実に面白い。
どうやら、俺の大賢者様も彼にご執心のようだ。
面白い。なんて面白い。
そりゃあもう
憎しみに変わりそうなくらい。
面白い。
なぁ…有利
お前は、なんのための王だと思う?
思い通りにならない、人間などいらない。