本棚
□痛い子
1ページ/1ページ
目を開けたら、彼はあの誰もがうっとりするような笑顔で『有利』って、言ってくれるのではないか。
そんな日常が当たり前すぎたから、こんな事をつい願ってしまう俺は、女々しいのかもしれない。
でも、仕方ないよな?
だって.
もう彼はいない。
いつもの朝がきて、俺が瞼を開けたとしても、あの笑顔はどこにも無いのだから....
笑顔で別れられた…少しだけ昔の俺を褒めてやりたい気分だ。
今、彼がここにいたなら、きっと俺は『行くな!』と追いすがると思う。もしもの時は、涙を使おう覚悟だ。
なんか今弱ってんな。俺。
俺。かなり痛いかも、
「コンラッド…」
思わず名前を呟いてみたり。。。
ヤバい。かなり淋しくなってきたかも。
くそ。名前を呼ぶ事さえ出来ないなんて
早く帰って来〜い。
と、ふて腐れてみたり。
やっぱ
そーとーいたい子だわ俺。
はぁ…
ただ一つ
願いが叶うなら
抱き締めてほしい
あの声で、名前を呼んで欲しい
あ〜あ。
恋って怖いね。
痛い子