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□今考えてること
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どこを、どうやったらここまで分からなくなるのか…
自称スポーツマンの考える事は、まったく僕には理解出来ないよ。
理解出来たからといって、なにがどうなる訳ではないけれどね…。



「村田ぁ…ここ分かんない」



「渋谷…君本当にやる気あるの?」



「そりぁ……ある…さ」



有利の歯切れの悪い言葉に、少々呆れつつも、僕はまた同じ所を教え直す。


もうすぐ期末テスト…
彼はテスト1週間前になって、やっと慌てだして僕の所にやってきた。



「だから、これはね…はぁ…聞いてんの?」



僕は、渋谷がどこかに飛ばしていたであろう意識を、強引にここへ引っ張って来る。



「へ?あ…あぁ…で、何?」



「渋谷…本当にやる気あるの?」



「あるある!ありますとも!な…何だよその冷めた目は!本当にやる気満々だし…」



「なら良いけど…」



何度こんな会話を繰り返しただろうか…
僕の相槌も、段々雑になっていく。



「信じてないだろ?」



渋谷は、恨めしげに僕を見つめながら口を尖らす。



「信じて欲しいなら、態度で示しなさい」



投げやりにそう言うと、また二人で教科書と睨み合う。



ついつい渋谷を、甘やかす僕は、まだまだ未熟だと思う。
そしてそれと同時に、前世でも今世でも、僕はやっぱりこうゆう役回りなのだと思うと、ちょっと笑えた。


まぁ…人生これからだよねぇ。


あ。また渋谷に、年寄り臭いとか言われそう…

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