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□足枷、そして終わりの鐘 第八話
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死ぬことが生きる、理由。
そう言った、たった一人の小さな愛しい少女
その存在が消えることの意味、わけ、理由
そんなもの、本当に必要だったのか
誰か、教えてくれ
【足枷、そして終わりの鐘】
第八話ーそこに生きているー
何処までも続くような、荒れ果てた土地。
空は鉛のように黒く光り、雲は赤く燻り燃える場所。
そんな場所に、酷く沈んだ調子の声が、響いて消える。
「神田、君…」
済まなそうな響きと、懺悔の思いがとけあったような声になった。
きっと、穏やかなときはしっとりと、雨露が零れるかのように響く声。
それが今、一人佇む黒を纏った男だけに向けられていた。
「…何の、用だ、コムイ。」