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□憂鬱日のしあわせ
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包んでくれるだけで
僕は とても、とても しあわせだから
だいすき
【憂鬱日にしあわせ】
人はこの気分をなんと呼ぶだろう。
下半身の鈍痛、頭痛、そのうえこの身体のだるさ。
月一回はどんなに抵抗してもやってくる、憂鬱な日。
たぶん、『最悪な気分』と誰もが口を揃えて言いそうだ。
自室のベットで、毛布に身をすっぽりと包みながら、アレンは丸まっていた。
下腹部の痛みをどう和らげようか思案しながら。
「うぅ…。」
腹をさすっても一向に収まらない痛みに、少々涙ぐみながら思考を巡らす。
この痛みがあるからこそ新しい生命を宿すことが出来ると知っていても、
女の身体は不便なモノだと思う。いっそうのこと男であれば良かったとも考えてしまう。
(あ…でも男だったら神田に逢えてなかったかも…。)
それを考えると、やっぱり女の方が良いと考え直してしまう自分に、少しだけ苦笑する。
捕らわれ離してもらえないことに気づくと、心の中に暖かいものが広がった。
だがその幸せな感情も、いきなり襲ってきた痛みの波に流され、さらわれた。
「あっ、いッ、た…」
うずくまって、唸る。
こんな時に腹をさすってくれる愛しい彼は、今任務に赴き、此処にいない。
今日には帰ってくると、上司に告げられたが、淋しいことこの上ない。
痛みと共に寂しさもこみ上げ、本気で泣きたくなってくる。
そんな時、頭上から声が聞こえた。