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□プロロゴス・エクソドス
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それにしてもいい案が浮かばない。
僕が僕であるまでの間に、彼らに何かしてあげられること。
大きなお世話と言われてもいい、僕が、ただ彼らに何かを残してあげたいと思っただけの行動。
僕はみんなからたくさんの物をもらったのだもの、どれだけお礼をしてでも、返しきれない、素敵な物。
ああ、どうしようかな、どうしようかな。

内緒で渡したい。でも僕だけじゃ全然浮かばないのだ。

僕はそこからもう一週、もう一週と思考を巡らせて、そしてたどり着いた。

ああそうだ、贈り物されてめちゃめちゃ嫌な顔するであろう人にちょっと聞いてみればいいんだ。
そうすればそいつには渡さないことになるし、きっと内緒にもしてくれるだろう、ていうか友達いないだろうから話すことないだろうしね。

「と、いうわけで神田、」
「帰れ」
「うわ、そりゃないでしょ」
「てめーと話すことなんぞねえよ」
「さべつだ」
「だまれ」

門前払いでした。
それでも、ここで引き下がらないのがアレン・ウォーカーなんです。
それはきっと神田だってよくわかっているだろうし、わかっていなくても引き下がるつもりはない。
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