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□WEBCLAP
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【01】

ちゅ

小さな水音があたりに響く。どうやら、彼女が自分にキスをしたようだった。
赤くなる頬の割には状況を冷静に分析できる自分に妙に感心した。
それでも、アレンはそんな神田の様子などお構いなしというようにちゅ、ちゅっと頬や瞼にキスを仕掛ける。
何も抵抗や反撃を繰り出さない神田の様子で気をよくしたのかさらには耳朶を舐められ、仕舞いには首筋をちょっとだけ強く吸われる。
それにはさすがの神田もひくりと喉を鳴らした。

「かわいいなぁ、もう」
「何なんだ、一体」
「君が僕にいつもしてることですよ?わからない?」

俺はいつもこんな恥ずかしいことをしていたのか。
そう認識すると、一気に頬が上気する。それと共に、悔しさもこみ上げて。
いつもやっている、ならば、その行為は自分からだけ出来る行為だと解釈しようと思う。

「おら、」
「ひゃぁっ!?ちょ、もぉ、神田!」
「二倍返し…いや十倍返しぐらいだな。覚悟しとけ。」

首筋から香る心地よい香りに神田はゆるりと顔を近づけ、くつくつと笑った。

さあ、今度はこっちの番。

もっともっと恥ずかしいことをしてやろうと思う。
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