反逆連載2(r2編)凍結
□エデン〜僕らの理想郷〜
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――――大切な者が光を失った。
そのことに少女が気付いたのは、あの八年前の悪夢のような事後、大切なの従姉妹が目を覚ました時だった。銃弾を何発も位、瀕死の状態だった従姉妹のナナリー。その状態から奇跡的に助かり、歓喜に浸ろうとした時だった。信じられない言葉がナナリーの口から発せられた。
「お兄様、お母様、どこ…」
「ナナリー…?」
ルルーシュもナナリー程ではないが傷を負っている為、別室で安静にしている。この部屋にはナナリーとサラだけだ。
「いや…なに、これ…いや、怖い…怖い!お母様!お兄様っ!」
必死に何かに手を伸ばそうとするナナリー。この不自然な行動に、サラは受け入れがたい事実に行き着つく。
「ナナリー!」
ナナリーの手を掴み、そのまま抱き寄せる。
「サラお姉様っ?!」
「大丈夫、大丈夫だから!」
そう、大切な従姉妹は光を失ってしまったのだ。たった一人、暗い闇の世界に彼女は閉じ込められているのだと。
「サラ姉様っ、サラ姉様っ、サラ姉様っ!見えないんです!御姉様のお顔も、御姉様のお姿も!怖い!私、私……」
必死でしがみつくナナリーを更に強い力で抱き締める。
「怖くない!怖くないから。私はちゃんと此処にいるから。ルルーシュだって、ちゃんと居るわ。今は用事で外しているけど…。でも私達はずっとずっと―――」
「お、御姉様……」
そのままナナリーは意識を失ってしまった。それからナナリーは目を覚ますたびに泣き叫び、サラやルルーシュを呼び、しがみつく。その繰り返し。でも、それでも良かった。ちゃんとナナリーは生きている。五体満足とはいかないがそれでも。だが、それでもブリタニア皇帝とブリタニアに対する怒りは忘れない。