反逆連載2(r2編)凍結

□エデン〜僕等の理想郷〜
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信じていた彼にまたもや裏切られた。唯一無二の存在であった彼、スザク。その彼を信じた自分が愚かであったのだ。彼は自分とルルーシュをブリタニアに売り払い、出世した男。一度亀裂が入った友情をもとに戻すことなど出来ないのだ。


ルルーシュが貴方を信じたというのに―――。


冷徹、非情。私が信じるのは最早ルルーシュだけ。いや、最初から私には彼しか居ないのだ。



それ以外の、彼が望む人間以外はただの使い捨ての駒に過ぎない。道具。そうだ、あの時そう誓ったではないか。帝国に捨てられてから自分は彼と誓ったのだ。結局、世界は変わらない。



だから、この瞬間から私は本来の私に戻る。ただ、彼だけを信じ、ブリタニアを破壊する捨てられし公爵家の娘サラ・ベレスフォードに―――。


ルルーシュとサラはブリタニア軍に捕らえられたが、予め仕込んでいた策でなんとかこの難を脱した。その後トーキョー租界でサラはルルーシュと別れ、ロロと合流した。兼ねてより計画していた作戦を実行する為だ。新たに開発したゲフィオンディスターバーでトーキョー租界のライフライン、あらゆる施設の防衛システム、発電機、そして第七世代以下のナイトメアは機能出来ない状態にし、ナナリーを再び取り戻す。ルルーシュは制空権を、サラはロロとともに政庁へ、ナナリーとカレンの救出へと向かった。



ロロと数人の部下と共にサラは政庁へと難なく進む。ロロのギアスのおかげで手こずる事はなく、ブリタニア軍達を確実に仕留める事が出来るからである。仮にロロが居なくとも、彼女には以前にはない力がある。まだルルーシュにも伝えていない力、忌まわしきギアスの呪いが。


「サラ、今はどの辺りだ?」


ふとルルーシュから通信がはいった。ロロと部下達がブリタニア兵と抗戦しているのを眺めながら、サラは答えた。


「政庁の陸戦ラインは突破したから、あと15分くらいかしら?」


「わかった。情報によれば、地下階層にはカレンも捕らわれている。最優先目標はナナリーの身柄確保。そして、次にカレンの救出だ!」


「わかってるわ、ルルーシュ」


「頼む。それから、ロロの事だが、その、本当にお前が―――」



シャーリーの償いをルルーシュはこの戦いが終結後にするつもりだった。ナナリーが戻れば、最早ロロは用済み。彼の心を粉々に砕き、襤褸雑巾のように捨て、始末してやるのだと彼は言った。しかしサラ自身は其処まで憎いわけでもない。しかし、ナナリーの居場所を奪い、シャーリーを殺した事実は覆らない。だからせめて。


「私にやらせて」


苦しまないように、逝かせてあげる。このギアスで彼に命じよう。それがせめてもの。そしてその暁にはこのギアスの事も彼に告げよう。彼に否定されるかもしれない。それでもいい。この戦いの後ならば、少なくとも彼は一人ではないのだから。



「必ず仕留めるから、心配しないで」


彼女らしからぬ、冷たい声音で囁いた。


「わかった…あいつのことはお前に任せる」
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