反逆連載2(r2編)凍結

□エデン〜僕等の理想郷〜
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神根島の地上に降り立ったモルドレットのコクピットから飛び降り、C.C.はちらりと目前に倒れているそれに目をやった。

「何故、この男がこんなところにいる」


地に倒れ伏す栗色の髪の少年。気を失っているだけで死んではいないらしい。ナイトオブセブン、枢木スザク―――。


「ルルーシュの加勢に来た……というのはまずありえないな。ならば、ナイトオブワンと共にルルーシュを止めにきたか」

C.C.が呟いていると、背後からマリアンヌの笑い声がそれを否定した。


「ざーんねん。微妙にハズレ。その子、自分の手でシャルルを殺しに来たみたいなのよね」


「何?」


「あの優等生がとうとうシャルルに表立って反抗する気になったらしいのよ。例によって、他人にそう望まれたから」


優等生とはシュナイゼルのことだとC.C.は直ぐに理解した。


「で、その子、優等生と取り引きしたみたいよ。自分がシャルルを殺して、優等生が皇帝になれた曉には、自分の事をナイトオブワンにしろって」

「つまり、ナイトオブワンの地位と引き換えに、主君の皇帝を裏切ってシュナイゼルの側に付いたと?」


C.C.は渋い顔をしながら述べた。


「らしくないな…」


「まあ、トーキョー租界でナナリー含めて三千万人くらい消し飛ばしちゃったからねー。頭の回路がぱーんと弾けちゃったんでしょ」


「自暴自棄というやつか。進歩のない事だ」


「しかも、結局返り討ちにあったみたいじゃない?その様子だと。あーあ、かわいそ。ヤケクソになって願いはなーんにも叶わない」


「お前、昔と少し性格が変わってないか?」


「そう?まあ、そうかもね。何だかんだ言っても、今はピチピチの女の子の体だし」


「肉体に合わせて精神年齢も逆行している?」


「さあ、どうかしら。正直、私も今の状態については全容を把握しているって訳じゃないから。さーてと。お楽しみはここから……」


「待て。冗談は兎も角。この男を助けてどうするつもりだ?はっきり言って、お前の役には立たないと思うが」


「あら。そんな事はないかもよ」

マリアンヌはスザクに近づき、やがてしゃがみ込む。手には何故か黒のマジックペンが握られていた。


「だって、彼は『クルルギ』なんだもの。貴方だって知っているでしょ、C.C.。日本では唯一『神』を祀っていた一族。つまり世界中に散らばって存在していた蕎団の原始信仰母体のうちの一つ」

V.V.やC.C.が主を務めたギアス蕎団。その母体となるのは世界各地で同じ「何か」を信仰していた人々の集団であった。蕎団は世界中に散らばったその「何か」を崇拝していた人々が一体化した組織なのだ。


「で、この神根島はまさに、その蕎団の一部とも言える『クルルギ』の本拠地だった場所。そもそもここの遺跡だって、元々は『クルルギ』の所有物だったんだから」


マリアンヌの言葉に、ピクリとC.C.が反応した。
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