反逆連載2(r2編)凍結
□エデン〜僕らの理想郷〜
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東京租界の学園地区はテロなどの喧騒を感じさせないほど穏やかだ。しかし、その光景も人々さえもある男がつくりだした紛い物だということをサラは知っていた。憎き男とそして嘗ては大切な人だった人物が。
「見たっ?」
「見た見た。テレビで見るより可愛い顔〜」
「イレヴンだけどね」
「ちょっとナタリー。駄目じゃない!」
「あ…ごめんなさい…でも、態とじゃないのよ?」
「気にしないで。ただあまりね?」
サラは話しかけてきた女子のクラスメートに小さく笑み浮かべた。この学校は最近ある話題で賑わっていた。それは皇帝直属の騎士ナイトオブラウンズ、枢木スザクの急な復学。地位的な物だけでも噂になるがそれよりも増殖させた種は彼の人種と稀有な経歴からだろう。
「イレ…ナンバーズだけどナイトオブセブン様かぁ」
「皇帝陛下直属だもんね?ねえ、サラはどっちがいい?逆玉かルックス!」
「ちょっとナタリー。それは愚問でしょう?」
「やっぱり、一途にルルーシュ君かぁ〜」
「そうだろうし。真柄なりにもサラはお貴族様のご令嬢よ!」
クラスメートたちの会話にサラは何ともいえない表情を浮かべながら皮肉気に呟いた。
「落ちぶれた貴族のね。ましてや、私は分家だし」
「御謙遜を、スタンフィールド嬢」
ピクリと一瞬だけだがサラは苛立ちを覚えた。しかし彼女達に罪はない。彼女達が知るサラという少女の経歴はアッシュフォード家の分家筋にあたる家の令嬢。ナイトオブセブン、枢木スザクとは古い友人で学園の首席ルルーシュ・ランペルージの彼女。間違ってはいない。記憶が改竄される一年前も同じ経歴だった。ただそう、一部分を除いてだが。
「私はルルーシュだけよ。スザクは大切な人には違いないけど、友人だから」
「相変わらずの馬カップルね」
そう、昔は大切な友人だった。友を売り、出世の階段をのぼるまでは。
「だったら、是非私との仲をとりもって欲しいわ!」
「うーん、考えとく」
「ちょっと!両手に華を独り占めするきなの??狡いわ!!」
記憶を取り戻しても、憤怒は消えない。
私とルルーシュからナナリーとお父様達を奪った事を後悔させてあげる。
「ごめんなさい。これから、ルルーシュと約束があるから」
「もう!逃げるきね?!」
「この話はまた次回にね?それじゃ」
ちょっと怒り気味のクラスメートたちを軽くあしらってサラはその場をあとにした。