魔法連載

□闇と金の蛇
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くれる・・・







〜闇と金の蛇〜






〜序章〜





〜第一話〜







私は生まれたときから不思議

な力を持っている。

それは動物と話せる事・・・

と言っても、蛇限定だが・・・

その力のせいで産みの親や近所の

人達から、化物扱いされた。









でも、ある人だけは違った。

何時も夢に出てくるあの人。

漆黒の髪に血のように紅い瞳。

あの人だけは私の話を聞いてくれる

まるで、本当の家族のように私と接

してくれる。


本当に・・・




私には血の分けた兄弟がいる。だが、彼等

の事を私は兄弟だとは思っていない。彼等

も私の事を実の兄弟だとは思っていないだろう

彼等は何時も母と呼ばれる女性と行動を共に

していた。




私は半分彼等を羨ましいと思った事が一時

だけだがある。それは甘えられる事、何時も

身近に親がいるのに私は甘えられない。

理由は母親という女性が何時も私を避けるからだ。

そのせいで私は母という女性が嫌いになった、死んで

しまえと何度も刹那に願った。

私の人間不信は時が経つにつれ酷くなっていった、 11

歳にると全ての人間が嫌いになっていた。あの人以外は・・・





12歳の時、母という女性が倒れた。そして、次の日

あの世へ旅立った。呆気ないなと思った。弟と兄と

呼ばれる者が泣いていた。私は泣かなかった、寧ろ

泣く理由がわからない。何故、彼等は泣いているのか

たかだか、人間一人死んだだけで・・・?






その日、私は夢を見た。勿論あの人の夢。

私は尋ねた、何故、彼等は泣いていたのか。

すると彼はこう言った。










「それは、哀しんでるんだよ・・・」







「哀しみ?」







哀しみとはいったいなんだろう?







「サラはわからないか・・・じゃあ

例えば、君の身近な人が急に君の前

から居なくなったとする、そうだな

僕とか・・・」








居なくなる・・・






「寂しい、胸の中がなんか・・・」






どう説明すれば良いのかわからない








「うーん、まあそんな感じかな?」







彼は困った表情をしていた。

次に目を開けると彼は消えた。







朝になっていた、私は何時ものように

身支度を整え、リビングに向かった。

いつもより静かだ、たぶんあの女が

いないからだろう・・・いや、それだけ

じゃない、彼等がいない・・・







何処に・・・?







結局、かれらが戻って来たのはあれから

半年が経ってからの事だった。






彼等が戻って来たからといって私の生活

に何等変化を齎すわけじゃない。

私はいつもどうりの生活を送っていた。







このまま何もない生活を送るのかと私は

考えていた。だが、それは脆くも崩れさった。








あの日・・・



妙に暗い夜、月が雲で覆われているせいなのか

なんなのか・・・


あの日事件は起きた。彼等が何かをやっているのは

あの日帰って来たときからわかってはいた。だがなんな

のか、詳しい事はわからない。そして彼等はした






禁忌と呼ばれる行為を・・・






私は見た、彼等の身体が分解されていくのを







彼等が犯したのはこの世の最大の禁忌

人を甦らせる行為・・・

人体練成





彼等は幼い頃から錬金術という科学が

得意だった。私はそれほどでもないが




錬金術最大の禁忌




人体練成



に手を染めた。







私は巻き込まれた。

私の身体も彼等と同じように分解されていく

怖いとは思わなかった。

人間は何時か死ぬものだし・・・







そして私は気を失った。





次に目を開けると見知らぬ部屋にいた
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