◆唄◆

□ウソとホントの
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気が付けば、いつも笑っていた。

意識してじゃなかった。
ホントに、気付いたら
―――あ、また笑ってた。って
そんな感じで。

何故かって聞かれても、はっきりとは言えないんだけど。
それでも、何となくはわかってた。

だって、笑うしかなかったんだ。

いつも独りで、でも、独りで寂しいなんて思われたくなくて。
だから、いつも楽しげに
―――楽しい事なんか、なかったけど。
だから、いつも嬉しげに
―――嬉しいことなんか、なかったけど。

そうやって、ずっとずっと笑ってた。


私は幸せなんです。


そう見せたくて。
決っして人より劣ってるなんて事、少しでも思われたくなんかなくて。

だって悔しいじゃない。

私は何も、悪くないのに。
惨めな思いする理由なんて、1つもないんだから。


笑ってた。
泣きたくてたまらない時ほど、めいっぱい笑った。
だから、いつのまにか『ウソの笑顔』が、上手くなってた。
愛想笑いしてれば、何事もなく時は通り過ぎるから。


でも、でもね。

ウソの笑顔って、すごく痛いんだよ。胸が痛くなってめちゃめちゃ苦しくて。


だって、しょうがないじゃない。
心から笑える事なんか、なかったんだから。

でもこのままじゃ嫌だから。
変わろうって。変わってやろうって、そう思った。

だから。

すごく辛かったけど。ホントに苦しかったけど。

だからこそ、ホントに笑える今があるんだなって 仲間がいるんだなって
そう思うんだ。


ウソの笑顔
それって、時には必要かもしれないけど
やっぱり、
ホントの笑顔
それほどにあったかいモノってないんだって、そう思ったの。

ねえ、あなたもいつかわかるはずだから。

だからそれまで。


『頑張ろ?』



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