◆唄◆

□しろ
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ときどき、嫌になるんだぁ。

どうしてあんな事言っちゃったんだろう、とか。
何であんなふうにあたっちゃったんだろう、とか。
もっと我慢すればよかった、とか。笑えばよかった、とか。

そのときは納得したり、いいんだって思ったことでも
全部が全部後悔だらけになって
今をそのせいにしたがってる、あたしがいる。

人付き合いが難しいなんて、思ったことなかった。
小学校の頃はいろいろあったつもりだけど、
人付き合いとか、そういうレベルじゃなかった気がするし。
前は、ホントに毎日が楽しくて、楽しくて。
勉強以外の悩みはないって感じだった。

これからもそうなんだろうなぁって勝手に思い込んで。
むしろ、もっと楽しいんだろうって勝手に妄想して。
…全部、壊れちゃった気がした。
今まで見てもらえてたものが、急に沈められたような
今まで当たり前だったはずのものが、急に見えなくされたような
そんな、被害妄想。
わかってる、のに。
全部、自分がいけないんだって事くらい。

今まで、あたしは何してたんだろう。
どうやって笑えてた?どうやって仲間といた?
どうやって?どうやって?…どうして今は、こんなにサミシイんだろう。
全部を失ったわけじゃないはずなのに。なんてこった。
今のあたしには、それに縋る資格もないんだ。

いつだか誰かに言われた気がする。
「あなたみたいになりたいな」って。
そのときは思った。どうして?って。
馬鹿にされてばっかだし、勉強だってできないし、いつもドジして失敗ばっかり。
そう言って、また言われた。
「幸せだよね」って。

今ならわかるんだ、その子の気持ち。
ねえ、昔のあたし。
アンタは確かに、幸せだったよ。

あたしずっと怖かった。
独りになるのが。独りと思われるのが。
とても惨めでならない気がして。
だから友達がたくさんたくさん欲しかった。
広く浅くなんて嫌だ。ちゃんと仲良くなりたい。頼りにされたい。
―――――必要と、されたい。

それが、どんなに希薄で愚かな願いだったのかが今、身に染みた気がする。

ねぇ、誰か。誰か、誰か。
助けて。
あたしを、助けて。
どうしたらいいんだろう?ねえ、あたしはどうしたらいいの?

決して口では言えない、言えない。
だって、そんなのあたしじゃない。
皆の求める「あたし」じゃない。あたしの求める「あたし」でもない。
そんなの、ダメだ。

だけど、だから、でも。
あたしは――――。
思いっきり泣けば、すっきりするの?
弱音吐けば、楽になるの?

重くなるような気がするのは、苦しくなるような気がするのは、
あたし、だけなの?
誰か教えて。誰か、教えて。

怖いの。すごく。
怖くて怖くてたまらなくって…今にも、シンジャイソウなの。




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