★庭球★
□貴方に染められて…
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彼は、いつも私の事をたぶらかす。
だけど・・・そんな貴方が心が張り裂けそうなくらい好きでしかたがない。
仁王:「柳生。何ボサッとしとる?」
柳生:「少し部長の事を考えていただけですよ。」
仁王:「俺よか、幸村の事が好きか?」
柳生:「そんな事ありません」
仁王:「じゃぁ、俺の事は、好きなんじゃの・・・」
「あっ」と思ってしまった時は、手遅れだった。
柳生:「貴方の事は・・・」
仁王:「これでも、柳生の事は何でも知っちょる。」
私は、何を思ったのか貴方に「好きだ」と言ってほしかった・・・
その日の放課後、貴方は寂しそうに一人教室の窓辺に寄り掛っていた。
柳生:「仁王君。部活行かないのですか?」
仁王:「さぼりぜよ。」
柳生:「どうしてですか?真田副部長に怒られますよ。」
仁王:「良いんじゃ。」
柳生:「何か悩み事でも?」
仁王:「それよか、柳生、ここに何しに来とるん?」
柳生:「あぁ、そうでした。忘れ物を取りに・・・」
私は、自分の席に近寄ると椅子を引いて、机の中から本を一冊取り出した。
柳生:「それじゃぁ、副部長には、仁王君は、サボリと直接伝えときますね。」