txt

□君の名を呼びたい
1ページ/2ページ




「キッド」

名前を呼ばれた彼は少し動きを止め、また進み出した。

「なぁキッド」

再び呼んでみたが彼が振り向いてくれる気配は全くない。

「ここまで無視されると辛いんだけど」
さすがに俺でも傷つく…とソウルは呟く。

するとキッドは少し足を止め
「どうせ大した用もないのだろう」
そう言いまた直ぐに前へ歩みはじめる。

「キッド」

段々早足になっていくキッド。
それを追いかけるソウル。

すると突然キッドは立ち止まり、

「何なんだお前はッ!」

と叫んだ。

「やっとこっち向いてくれたな」

「お前があまりにもしつこいからだ」

何か用か。そう言う彼にソウルはこう言った。

「オレがキッドに話しかけるのに理由なんているのか?」

クク…そう妖しく笑いながら。

「そ、そんなことはないが…。」

「そうだろ?」

オレがお前の名前を呼んだら、ちゃんとその甘い声で答えてくれよ?

そういうとキッドの顔は林檎みたいに真っ赤に染まり、
「たわけが…」
そう小さく呟いた。

可愛いオレのコイビトは死神だけど
オレ達幸せになれるよな?

「当たり前だ。」

そう断言してくれる君の声が
聴こえたような気がしたよ

→あとがき
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ