04/20の日記

20:38
小話・お弁当
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☆まいすた兄弟設定。せっちゃんが中1、兄貴が大学生。



「ただいま」

刹那が玄関でひとりごとのつもりで呟くと、「おかえりー」と室内から声が聞こえてくる。
思わずぱちぱちと瞬きをして、台所へ走った。


「おかえり、刹那」

台所で洗い物をしていたロックオンが、刹那に微笑みかけた。
今日は珍しくバイトがなかったらしい。


「お、今日もきれいに食べたなぁ」

刹那が差しだした空っぽのお弁当箱を見て、ロックオンは嬉しそうに言う。

中学に上がって1番嬉しいことといったら昼食が弁当になったことだ。
そんな刹那が、ロックオンお手製の弁当を残すはずもない。
授業がお昼からの日だって、刹那たちのために毎朝早起きしてつくってくれるのだ。

ちなみに、2番目は刹那の学ラン姿をロックオンが「かっこいい」と言ってくれたことだ。
今までは何をしたって「かわいい」ばかりだったのに。


「今日も、うまかった」

刹那は背後からぎゅっとロックオンに抱きついた。
末っ子の特権というやつで。
・・・ただ、最近少しばかりロックオンの反応が変わってきたような気がする。


「っ!」

ロックオンがびくっと肩を震わせて、ほんのり頬を赤くして刹那のほうを振り向く。
小学生のころは、刹那が抱きつけばロックオンは喜んで受け止めてくれるか、もっと抱きしめられるかだった。

「せつ、な・・・、その、洗いものしてるからさ」


口ごもるロックオンの首筋も赤い。

抱き返してもらえないのは淋しくもあるけど、これは悪くない変化かもしれないと思って刹那は甘えるフリで赤い頬に軽く口づけた。


END


最近、節約のためにお弁当つくり始めたので。

成長しつつあるせっちゃんにドキドキしはじめる兄貴と、末っ子パワーで甘えてみせる確信犯のせっちゃん。

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