氷帝夢

□救世主
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暇、暇、暇

誰か私をこの退屈な世界から助けて




三年の春、義務教育で今まで勉強なんてしてるけど学校なんて行かなくても教科書があればすぐに出来るものばかり、原理が解れば簡単過ぎてつまらない。

テストなんて物も簡単過ぎてやる気にもならない。

それでも白紙でだすと後々煩いから半分やって残りの時間私は机に俯せるのだ。
カリカリと回りの鉛筆の音が煩い。私は何故誰もがこんなにも必死になってやるのかわからない。


ふと先程までのリズミカルな鉛筆の音が一つ消えた。

それは通路を挟んで隣の席から消えたのだ。


…隣は一体誰だったのだろうか確か男だったと私はその方へ顔を向けた。

その時調度彼もこちらを見たようで視線が交わる。
何度かみたことのある顔、クラス替えがあったばかりで一体何処で見たのだったろうか思い悩む。
そう思いながら彼の目をじっと見つめる。
彼も目を逸らさない。

切れ長の鋭い目に意志のある青い瞳がとても綺麗だと思った。


それが彼の第一印象だった。







学校が終わり鞄を持ち教室を後にする。
出る直前に教室で沢山の女子達に囲まれている彼が視界に入った。



「跡部くん今日も部活頑張ってね!」
「跡部様頑張って!」

あぁ彼の名前は跡部というのか。
彼を見た時また彼と目があったが別にどうでもよいのですぐに目を逸らし帰った。



「明日香」



校門に差し掛かった時後ろから声がした。
足を止め振り返るとそこには教室で女子に囲まれていた彼がいた。
とりあえず返事をしようと言葉を紡ぐ。


「・・・あと・・・べだっけ?」


彼は私が彼の名をうろ覚えな事に不快感を持ったのか眉間に物凄いシワを寄せていた。
だけど今日初めて知ったのだから仕方がない。
彼の心情なんて気にせず淡々とする。

「どうかした?」


「・・・お前、退屈してるんだろう?」


いきなり言われた事に驚いた。
でも表情には出さない。

なんで私の気持ちがわかったのだろう。
何故私に話しかけた。
考える程に沢山の疑問が湧き出て来て今までの退屈が嘘だったかのように知りたい物が増えてくる。


「ふふっ・・・なんでそんな事わかったの?」

思わず笑みを零してしまう。


なんか、面白い。






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