氷帝夢

□幼なじみの関係
1ページ/2ページ




私が宍戸に仁王くんの事について話してる時に「好きなら直接本人に言え」って言ってたよね。
仁王くんは好きだよ。
カッコイイし何も縛られないようなとこが好き。


だけどね、そんな仁王くんよりもなんでか解らないけどそれ以上に宍戸が好きなんだ。

なんでだろうね。
この気持ち伝えようかなって想った事があるけど、この関係を壊したくなかった。
友達以上に大切にされてる宍戸の隣が心地よかった。

もし、気持ちを伝えて断られたら壊れてしまうでしょ?


それなら伝えなければ良い。


怖かったんだ。
その気持ちを隠す為に仁王くんの事を話続けたのかもしれない。

それが日課になってた。





「なぁ、お前分かってるわけ?」


いきなり言われた言葉、私が仁王くんの事を話してる時いつも不機嫌な態度で聞き流してたのに今日は違った。


「…仁王くんがタラシだって事?」
いつもの調子で笑顔でヘラっと答えた私。
呆れた顔して「馬鹿」とかかえって来ると想ってた。

「違ぇ・・・」

いつにもなく真面目な顔。カッコイイな・・・と不覚にも想ってしまった。
でも次の言葉は私の想いを揺れ動かす。



「俺はお前が好きなんだよ」

今、宍戸は何て…?


心臓が煩い。

顔が、身体が熱い。
全身に熱が燈る。

私の目をはっきり見て真剣な切ない目。
私は驚くしかない。
私がどんな顔したのかわからないけど宍戸のいつも吊り上がった細い眉が下を向いた。


「…すまねぇ、関係崩しちまった」



哀しい顔で笑わないで


私も同じ気持ちなのに、だけど私は動けない。

弱い私。

宍戸は黙って背を向けるだけ。
私の気持ちも聞かないでそんな勝手に終わらせようとしてる。


「じゃ、俺クラス戻るわ」


行かないでよ。



勇気のない私が気持ちを伝えるにはこの機会しかもうない。

精一杯の気持ちを込めて宍戸の背中に向かって言う。



「好き」



宍戸が1番好き


仁王くんよりも


誰よりも



幼なじみの壁を崩してくれた姿にまた惚れた。








幼なじみの関係
(振り返った宍戸の顔は真っ赤だった)





.後書き
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ