氷帝夢

□負けず嫌い
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日吉の反応は…

、握り返してる…?


日吉の顔を見ると何も変化はない。


「ねぇ、日吉。なんて反応したら良いかな」

日吉の反応を見ようとしたのに予想外の事で逆に反応に困った。

「…は?」

ぴたりと日吉が歩くのを止めた。
手を繋いだまま向かい合うと日吉は呆れた顔をしていた。

「まさか日吉が握り返すとは思わなくてね」

なんだろう、冷や汗が流れてる気がする。

「…貴女その前に素直になったらどうです?」



「…日吉も素直になったらどうかな?」

私も馬鹿じゃない。
ここまで来たら確実に日吉は私の事を好きだ。
そうなれば男の方からの方が形良いじゃない。
キュッと繋いでる手に力をかけてみる。

日吉がため息をつきながら私を日吉の腕の中に引き寄せた。
私の胸が壊れそうな程高鳴っている。
夢に迄みた日吉からの告白、そう思った。
日吉は私の耳元に口を寄せ低い声で囁く。


「俺に惚れたって言ったらどうですか」


独特な声でそう言われると素直に従いたくなる、だけどそこで私が言ったら負けた気がする。
変な負けず嫌いが私の中に渦巻いてる。

「心臓バクバクの君が言う台詞?」

私は日吉の胸に抱き着いて耳を宛てると日吉の心臓の音がよく聞こえた。


「ちょっ…」

日吉は驚いて眉間にシワが寄って絶対ムカついてるのに私を離そうとしない。
それが可愛くて一度力強く日吉の胸に顔を埋めてから背伸びして顔を近づけて言う。




「すっごい惚れてる」



その可愛い表情に免じて私から言ってあげるよ。

でも、なんか悔しいから頬に軽くキスしてやった。







負けず嫌い
(ここで名前呼んだらどうなるんだろう)






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