氷帝夢

□やっと言えた言葉
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「あー…あの時は、ね」


眼を逸らしてあの時の事を思い出したくはないようだった。
だが俺は追い撃ちをかけるのかの如く放つ。


「俺めっちゃへこんだんやで?…好きな子にあない顔されて」


「ごめ、…ん?!」



申し訳なさそうに笑いながらこの話題を流してしまおうとしたのか俺の言った言葉を途中から理解した。


「お、気付きよったか」


こんなに余裕をかましているが、正直今にもどこかへ隠れたいと思う程恥ずかしい。

だが真剣に好きだから伝える。
伝えたいと思うんや。

「今でも好きなんやけど…」





「俺は明日香が好きなんや」



やっと言えた言葉
(良い返事を願おうか)







オマケ


顔を赤らめている姿が何とも言い難くかわいらしいが出て来た言葉は悲しいかな、


「や、彼女いるでしょ」


「いたら告白せぇへん!」


えーおかしいなぁと考え込む明日香をみて思い出す。
周りの奴らは俺に彼女がいると思っとってんやと。


「皆噂しとんのは俺の姉や…彼氏の真似させて買い物に付き合わせるんや」


「あ、…そうなんだ」

やはりその事が原因だったのか説明すれば納得した顔をする。

気のせいとか自惚れかもしれないのは分かってるが、少しだけ嬉しそうな表情をした。


「で、どうなん?」


低く聞く



俺の事好きなん?






2009.4.24
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