氷帝夢

□危ない方向
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なんだか俺が危ない方向へ向かってる気がする。




朝俺が起きてリビングに行くと近所に住んでる小1の明日香ちゃんが居た。


「おはよう、亮くん今日はよろしくね」


ニッコリかわいらしい笑顔を俺に向けて言う。
俺は起きたばかりというのもあるが意味が理解出来ない。
とりあえず「はよ」と挨拶はしとく。
机を見ればと紙が一枚置いてあった。



"亮へ
今日は大人達で日帰り旅行に行ってきます。
夕飯迄には帰るから明日香ちゃんの事よろしくね。
母より"


まて、兄貴はどうしたんだよ。
いるはずだろ?

俺指定じゃなくてもいいはずだ。


「明日香ちゃん、兄貴知らねぇ?」

「お母さん達が出かけた後に出ていったよ。彼女とデートって言ってた」


…よく見れば"亮へ"の字は兄貴の字だった。
あの野郎、逃げやがって。

っても今日は長太郎と約束があるんだよなぁ、どうするか。
ちらっと明日香ちゃんの方を見ると首を傾げて俺を見てる。
こんな小さい女の子家に留守番させとく訳にもいかねぇからな。
仕方ねぇ、長太郎に訳言って次にして貰うか。


長太郎に電話すると"頑張って下さいね"なんて笑いながら言って切れた。

アイツなんで笑ってんだ?



電話をおくと明日香ちゃんが服の裾を引っ張って

「亮くん、ごめんね。デートだったんでしょ?」

必然的に上目使いで申し訳なさそうな顔で言ってくる。
デートって長太郎と…?

失笑だな。

にしても明日香ちゃんは前々から可愛いと思っていたがこれはなんかヤバイ気がする。
俺の中の何かが弾けてしまいそうで怖い。


「違うぜ、デートなんかじゃないしいつでも良い約束だったからそんな顔すんな」

しゃがんで頭をぽんぽんと撫でてやった。

「亮くんありがとう!」


子供と触れ合うのもたまには良いもんだよな。









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