妄想小説

□休憩 2
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クシュン クシュン
風邪のせいか少し寒気を感じながら、私は何度もくしゃみを続けてしていた。
「大丈夫か?風邪のひき始め!?」
心配そうな声で向の席に座っていた同僚が、声を掛けてくれる。
「あっうんなんか昨日ぐらいからかな〜!?こんな調子で…」
さっきくしゃみをしていたので下を向いていたのだが、顔を上げ少し苦笑いしながら同僚の方を向くと、彼の眉の間にシワができていた。
「あっ!!!!本当大丈夫だからあんまり心配しなくていいよ〜」
そんな一言を言っても彼は聞いていたのかいないのか、さっきと変わらない顔で私を見てくる。そんな顔のままずっとこっちを見られてると思うと、私まで同じような顔になっていく。だからか、私は少し和むように軽く冗談を言おうかと考えていたら彼が先に口を開いて言ったのだ。
「もしかしたらその風邪!!誰かにうつしたら直ぐに治るのかな〜?」
このような類の言葉は昔からよく言われているが、実際効果があるのかないのか私には分からない事で…ただただ笑って、少しの言葉を返すしかできなかった。
「あー!!!!それってどうなんだろうね!?したこと無いから分かんないやっ」
私が話した後1〜2分の間があった後に彼が口をまた開いて言った。しかも小声で、照れがあるかのような口調だった。
「じっじゃーさ!!それ本当にそうかどうか実際に試してみない?」
    ガタッ
椅子と机に体重を乗せる音が同時に耳に入ってくる。そして彼の手が私の顎に伸びて彼が身を乗り出して近づいてくる。とても一瞬にあった事ではないかの様に私は、全てを見ていた。今さっきまで遠くに座っているように感じていた私と彼の距離が、こんなにも近かった事にも驚いたが、なにより皆が出入りする部屋で冗談から始めたようなキスのはずが、彼の滑らかな舌と熱く口の中をうごめく液体で、私の中が少しづつ溶けて行くような感じがするのがリアルに分かる。
この中でおこっているリアルな行動に私の頭と体が付いて行けてない感じで、頭では"間違っている"と信号が出ているはずなのに体がその間逆で"気持ちいい"と彼に唇を委ねる様に全てを委ねろと言わんばかりに、反応している。
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