妄想小説
□灰色
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いつからだろうか
いつからか、私は人の温もりを常に求めるようになった。
まるで、精神安定剤に近い役割を果たすから。
その人の温もりは、今の私にとって欠かせない、大きな存在になっていた。
いつからだろうか
いつからか、
人を
他人を
求めながらも、その他人に対して嫌気がする。
一緒にいて腹立たしく、
憎い存在になっている。
それでも、その感情の中にいる自分が心地いいと感じてしまっていた。
いつからだろうか
いつからか、自分という存在が。
人間が嫌いになっていた。
長年付き合ってきた他人なのに、今更そんなことに気付いた。
それでも、どこかでは好きでありたいと今更ながら願っている気がする。
いつからだろうか
いつからか、好きになるという行動を忘れてしまっていた。
感情が具体的に湧き上がってこない。
無な心の音がする以外なにも無い。
今の私は、本当に生きているのだろうか？
いつからだろうか
全てを失ってしまった。
それでも、未だに気付いていない・・・。
いつからだろうか・・・・・・。