文
□Darkness and shadow
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『貴様の中に入るのは何年ぶりか…さぞ寂しかっただろう瞬…』
『やめろぉぉ!!僕の中から出ていけ!!』
瞬は発狂したようにそう叫び、頭を上下に揺らした。
やがて自分の中から何かが出ていった感覚がし、瞬はその場に膝をついた。
『…はぁっ…はぁっ……!!!!』
荒くなった呼吸を整えていると、先程の影は人型に姿を変えていた。
そう………あの時……数年前に殺したハズのハーデスに……。
『久しぶりに世と一体化した気分はどうだ?』
ハーデスは瞬の方へ近付きながら、そんな事を聞く。
『………っ!!!』
瞬は立ち上がるとハーデスを睨む。
しかし、そんな事には何も触れず、真っすぐに歩いてきたハーデス
瞬の目の前で立ち止まる。
瞬は何かあると思い、構えていたのだが、ハーデスは予想外の言葉を吐いた。
『また随分と美しくなったものだな、アンドロメダ瞬よ』
『…!?…何訳わかんない事言ってるの?!』
疑問に満ちた瞬はその言葉に気味が悪くなる事さえした。
そしてハーデスは瞬を真っすぐ見つめると瞬の頬に手を触れた。
『……っ!…何をして………んっ…!!!??』
ほんの一瞬のうち、ハーデスは瞬の唇に自らの唇を重ねた。
ハーデスは瞬の首に腕を廻しながら、口づけを深くしていった。
『……っ…やめて!!!!……はぁ…はぁ…っ…』
瞬はハーデスを勢いよく突き放した。
今起こった出来事がよく理解できていないらしく、瞬は泣きそうな目でハーデスの顔を見上げた。