Clap Novel

□聖夜物語2011
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*クリスマスシーズン限定小話。


















「「サンタクロースの役ぅ!?」」

冬が始まり、毎日寒い日が続く・・・とある日の夜遅くの事だった。

今まで静かだった居間に、男女の驚いたような声が響き渡る。

「しーっ!!!声が響くでしょ2人共!!!毎年恒例の事を、今回は私達の変わりにやって欲しい ってだけなんだから」

「そうそう。簡単だし・・・結構楽しいもんだよ?」

どうやら、揃って大声を出したのはがくぽとルカだったらしい。

そんな2人に対面するように座っていたメイコとカイトが、面白そうに笑って言う。

「だっ・・・てか、リュウト君はわかるとして、他の皆はもう信じてる・・・っていう歳じゃないだろ?」

続けてがくぽが口を開き、2人にそう尋ねた。

「その点は大丈夫よ。信じないと貰えない って言い聞かせてるから!!!!」

「・・・それもそれで不純だな・・・」

何やら得意気に答えたメイコに、がくぽは小さく息をはく。

先程から大人組の間で交わされている会話・・・事の始まりは数分前。

わざわざ年少組が全員眠った後に、どこか神妙な面持ちでカイトとメイコから居間に呼び出されたがくぽとルカは、思わぬ話を聞かされる事になったのだ。

自分達の変わりに、今年はサンタクロースの役をやって欲しい、と。

「で、でもプレゼントの事とか私達・・・全然だし・・・」

「大丈夫よ。バックアップは私達もちゃんとするつもりだから。今度、皆に手紙を書いてもらうつもりでいるの。サンタクロース宛に、ね」

不安げに言ったルカに、メイコが優しく説明してくれる。

「・・・それを参考にプレゼントを選べ・・・か。値段とかは?」

「君達の懐の広さに任せるよ」

カイトとメイコから大体の説明を受け、事が理解できたがくぽとルカは互いに顔を見合わせた。

自分達も2人のように、上手くサンタクロースに化けて、年少組にプレゼントを届けられるだろうか。

「そんなに心配しなくても、何かあれば私達も力になるし・・・2人にならきっとできるわ」

そんな雰囲気を感じ取ったのだろうか・・・メイコが微笑み、安心させるようにそう言ってくれる。

「フフフっ いいんじゃない?ある意味、特別なクリスマスになるしね」

確かに、カイトの言うようにイベントとしては面白い物にはなるであろう。

「・・・がくぽ・・・」

「・・・不安要素は結構あるけど・・・俺とルカだもんな。いっちょ頑張ってみるか!!!」

「・・・・うん!!!!!」

こうして、今年のクリスマス・・・正確にはクリスマスイブの夜、がくぽとルカは2人でサンタをやる事に決まった。

後は、年少組に見つからないように上手く準備を進めていくだけ。

しかし・・・これが案外、大変な仕事になってしまうという事を、今の2人は知るよしもなかった。

クリスマスイブまで後ひと月・・・カウントダウンの始まり始まり。













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