Clap Novel

□聖夜物語2011
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*クリスマス限定小話その3!!!








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「・・・2人共、準備は万端みたいね!!!」

「衣装も妙に似合ってるし・・・うん、頑張って」

クリスマスイブ、夜遅く・・・もうすぐでクリスマスになろうかという時間だった。

事前に用意されていたサンタとトナカイの衣装。

それをバッチリと着こなしているがくぽとルカが、カイトとメイコの前に立っている。

2人のそんな言葉に、がくぽとルカは頷いた。

今から、彼らのクリスマス最後の仕事が始まるのだ。

「・・・よし、プレゼントもちゃんとある・・・ルカ、行くか!!!」

「うん!!!カイト君、メイコさん行ってきます。色々・・・ありがとう」

がくぽとルカはそう言い合い、おそらく寝ているであろう・・・年少組への部屋へと向かった。

「いってらっしゃい!!!頑張ってね2人共!!!」

そんな2人を、笑顔で見送るメイコ。

「・・・あの子達の部屋が去年と同じ感じだったら・・・ルカちゃん辺りは大変なんじゃないかな」

「でしょうねー。でも、案外しっかりしてるから・・・2人で悪ノリしない限り、大丈夫よきっと」

静かになった居間に、カイトとメイコの声が響く。

「んー・・・じゃあ、僕達ももうやる事ないし・・・どう?パーティーでもさ」

「・・・そうね。折角のクリスマスだもの」

互いに微笑み合い、2人は居間を後にした。





「・・・後はリンちゃんの部屋だけだな・・・ルカ、大丈夫?」

「え!?あぁ・・・うん、何とか・・・」

がくぽとルカの2人がプレゼント配りを始めて、約数十分。

個性的な年少組の部屋に、コッソリとプレゼントを置くのは、実に骨の折れる仕事だった。

その証拠に、2人は何やらげっそりとしてしまっている(散乱した食べかけのお菓子、図ったように広げられた妖しい本の際どいページ、果ては足元にスライムまで仕掛けてあった、等々)

「・・・何でこんなヤツらにプレゼント・・・てか多分、ラスボス級だろ彼女は」

「・・・でしょうね・・・はぁ・・・」

おそらく最後の砦であろう、リンの部屋(彼女の趣味的な意味で)の前で覚悟を決め、がくぽとルカは部屋へと入っていった。

一応、綺麗に整理された部屋の奥・・・可愛らしいベッドに、幸せそうな寝息をたててリンは深い眠りについている。

がくぽはルカの方を見やり、身振り手振りで早々に退散しようと伝えた。

彼女もそれを理解したのか、コクリと頷いて彼の後についてくる。

枕元にそっとプレゼントを置き、2人の仕事がこれで終わる・・・筈だった。

「・・・・・・・・!!!!!!!」

大きく見開かれるルカの瞳。

彼女の視線の先は机に向いており、別の意味で妖しい本の非常に艶かしいページが(おそらく冬の新刊)

「・・・ふぉおおおがくぽがくぽ!!!見てよコレ「ちょっ・・・声でかっ・・・てか何コレ何持ってるのおい!!!そんな目で俺を見ないで俺には理解出来ないからっ・・・うぁあページめくるなやめろ!!!ルカっ・・・こっち来なさい!!!むしろ戻って来・・・ルカ!!!」

嬉々としながらその本を読みだしたルカに、がくぽは必死に言うが一向に動く気のない彼女。

このままではラチがあかない上、リンが起きてしまう。

そう思ったがくぽはルカを抱き上げ、逃げるように部屋から出ていった。

「・・・ご、ごめんなさい・・・」

「・・・別にいいけどさ・・・ルカ、嬉しそうに読みすぎ」

「だ、だって・・・・」

落ち着きを取り戻したらしい、居間では早速反省会が始まったようだ。

ルカの申し訳なさそうな言葉に、がくぽは頭をかきながらそう答える。

そんな彼を見、彼女は何やら服のポケットから小さな箱を取り出すと、がくぽへ差し出した。

「・・・ルカ?」

「・・・わ、私はサンタなのよっ・・・プレゼント、あげるのが仕事だから・・・」

目を見開く彼に、ルカはバツが悪そうに言う。

「・・・じゃあ、頑張ってたご主人様に」

そんな彼女に微笑み、がくぽも言うとポケットから箱を出し、ルカに差しだした。

「・・・え「ホラ、受け取ってよご主人様。あ、早速だけど開けてもいい?」

「あ、ど・・・どうぞ」

彼女の答えを聞いたがくぽは、綺麗に包装された箱を丁寧に開けていく。

ルカも同じように、彼から渡された箱を開けていった。

「「・・・・・・!!!!!」」

ほぼ同時に見開かれた2人の瞳。

がくぽの箱には趣味の良いアンティーク調の銀時計が、ルカの箱にはこれまた趣味の良い・・・可愛らしく可憐な薔薇で装飾された、オルゴールが入っていたのだ。

「・・・綺麗・・・」

嬉しそうにそう呟いたのはルカだった。

がくぽも微笑むと、彼女を自分の腕の中に引き寄せて言う。

「・・・この時計もな。凄く・・・嬉しい」

「・・・フワフワね、がくぽ」

「・・・ルカこそ」

甘えるように抱きついてくるルカの額に、優しいキスを落とすがくぽ。

どちらともなく見つめ合い、2人は同時に口を開いた。

「メリークリスマス、ルカ」

「Merry Christmas、がくぽ!!!」











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今年は一家でやってみました♪

その後オマケ的な話も書きたかったけれど、色々ヤバそうだったので割愛www









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