Clap Novel
□1月拍手まとめ -ver2012-
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*ルカ誕小話
|ω・`*)完成がギリギリだったなんて言えない・・・
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『ルカ、本当にごめん・・・スケジュール調整、上手く「大丈夫です。仕事はやっぱり大切だから・・・それに、また来年があります」
とあるスタジオに、マスターとルカの・・・そんな声が響いていた。
今日はルカにとって大切な日・・・彼女の誕生日だったのだ。
本来、家族皆で盛大に祝おうという話が進んでいたのだが、今日になってルカ以外の家族に・・・急な仕事が入ってしまったのである。
この不測の事態を引き起こしてしまったマスターが、申し訳なさそうな表情で言う。
しかし、ルカも仕事だから仕方ないと・・・そう割りきっていた。
「それに・・・マスターと久々に話せたから・・・満足です」
『・・・・・ルカ・・・・・』
そうは言っているものの、彼女の顔はどこか寂しそうだ。
"・・・あんま、良い方法じゃないんだけどな・・・"
『・・・わかってるなら・・・早く迎えに来てやれよ・・・』
「・・・・・マスター?」
『ん?あぁ、こっちの仕事の話だよ。そういえばさルカ、今度の新曲なんだけど・・・』
何やら呟いたマスターに首を傾げるルカ。
そんな彼女に優しく笑いかけ、マスターは新しい話題を投げかける。
仕方ない、時間ならいくらでも引き延ばしてやろう。
だから早く、彼女を・・・・
マスターとルカの会話は、それから数時間続いたのである。
「マスター・・・メール見ましたよ、新曲のデータを・・・あっ!!!ルカ姉!!!」
陽は落ち、窓の外はすっかり暗くなっていた。
パタパタと足音を響かせ、スタジオの中に入って来たのはミクだ。
『おぉ、ミク』
「ミクちゃん」
一瞬だけルカを見つめたミクは、何気なくマスターに視線を向ける。
「・・・大変だったんだよー今日の仕事!!!色々ありそうだから、私じゃないとダメって」
『・・・そうか。じゃあ、今日の仕事はもう終わり?』
キョトンとしているルカをよそに、マスターとミクの会話が進む。
この2人の会話、実はちゃんとした意味があるのである。
「うん!!!!」
『なら・・・ルカを頼むよ、ミク』
「まっかせて!!!ルカ姉、家かーえろ!!!」
「え?あ、う うん・・・」
ミクは言い、ルカの手を引いて歩きだす。
扉の前、ミクは振り向くとマスターに言った。
「マスター 後で、また!!!!」
『はいよ』
1人になったスタジオ、マスターは小さく笑いこう呟く。
『愛されてるなぁ・・・流石というか、やっぱりアイツは"殿様"だよ。これだけの事をやってのけるだけある』
手に握られた携帯電話のディスプレイには、何十件というメールの表示やら着信履歴が。
『何て言い訳するかなぁ・・・』
その画面を見て、マスターは苦笑せざるを負えなかった。
そしてその頃。
「みっ・・・ミクちゃん、家に帰るんじゃないの?」
「何でー?」
「だって・・・道が違う・・・」
半ば強引な形で手を引き、どこかへ行こうとするミクにルカは聞いた。
「・・・・今日は、ルカ姉の日なんだよ」
そう話しながら、ミクは歩みを進めていく。
「ミクちゃん?」
彼女の歩みが止まった先は、一般人には到底縁もなさそうな・・・豪華な雰囲気のホテルだった。
「・・・本当は伝えてくれって言われてたんだけど・・・私が言うより、本人が言った方がいいと思うんだ。そんな訳、で・・・ルカ姉入りまーっす!!!!!」
「え、え・・・・・・えぇえぇ!?」
扉の前、そう呟いたミクはルカの背中を思いっきり押す。
突然の事に対応出来なかった体は、扉の方へと倒れこんだ。
彼女の瞳が、大きく見開かれる。
「ちょまっ・・・予定と違うでこ「仕方ないわ、早く糸、糸を「音楽音楽!!!「うぁあ早くしろ「「「「「HappyBirthday!!!誕生日おめでとう!!!」」」」」
よく通る乾いた音が響き、目の前に紙吹雪が散る。
重なった美しい声音は、同じ言葉を紡いでいた。
「な・・・こ・・・」
「ホラ神威、巡音困ってるじゃんか、早くキメろよ!!!」
「うるせぇな、言われなくても・・・ってルカ?何でお前私服?ミクちゃん・・・!?」
「あっ・・・あー忘れてたぁ!!!!ミズキさんのトコ・・・エヘヘ、ごめんなさい・・・」
ボカロ一家は勿論、ソフトウェア家、お金持ちの3人組、ネルハク姉妹・・・ピコに勇馬、ミズキ。
ルカはようやく理解できた。
ここにいる皆は、自分の為に・・・集まってくれたのだという事を。
急な仕事もマスターとミクの会話も、全て計算されていたのだ。
「何か主役が浮いて・・・まぁいっか、後でだって着替えられるし。という訳で・・・ルカさん」
差し伸べられた手の先にいたのは、何だか申し訳なさそうに笑うがくぽ。
おそらく、これを考えたのは彼だ。
いつになく洒落っ気のある服を着たがくぽの姿は、実に様になっていて目を合わせるのも気が引けてしまう。
「皆がお前を・・・待ってる」
「・・・かっ・・・とに・・・タは・・・」
それ以上に、自分の瞳から溢れてくる熱い何かを、ルカは止める事が出来なかったのだ。
溢れる想いが頬を伝い、床に落ちていく。
「え・・・えぇ!?まっ・・・また!?今年もなの!?ちょ、ルカさん、とりあえず涙を「止められる訳ないじゃない!!!!!」
震える声で、何とかルカは言葉を続けた。
「本当に馬鹿・・・私なんかの為に・・・皆まで巻き込んで・・・こんな豪華な・・・料理・・・だって・・・予定・・・とか「皆が、ルカの事を好きだからだよ」
がくぽの温かい手が、自分の両の頬を包んでくれる。
「皆が・・・お前の事を祝いたくて、こうやって協力してくれた。それだけお前は・・・皆に愛されてる」
ルカは周りの皆の方へと目をやった。
皆は優しく笑って、頷いてくれる。
「だからさ・・・泣き止んで、一緒に行こうよ」
「・・・・うん・・・・」
その言葉で、ようやくルカは微笑む事ができた。
「後で色々と話は聞くからさ、ホラ 立って」
彼女に再び手を差し伸べ、がくぽは言う。
「お手をどうぞ お姫様」
「・・・がくぽ・・・「巡音ーこっち来て写真撮ろーぜー!!!」
「写真の前に着替えでしょーが!!!!」
「お兄さま!!!ネルさん!!!」
宴の開演は、もう間もなく。
がくぽの大きな手の上に、ルカの華奢な手が伸ばされた。
(・・・君が生まれた事に祝福を!!!!!)
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去年と違う感じで、皆で盛大に祝って貰いました!!!
お金持ちの彼らが、こうもいい仕事をしてくれるとは・・・ww
次のページに、オマケがあったりなかったり。
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