リクエスト小説

□2人を繋ぐ 大切な
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とある日の、夜も大分更けた頃の事だった。

「メイコさん」

「あら、ルカちゃん」

居間で1人テレビを見ていたメイコが、後ろからかけられた声に振り向く。

声の主はルカだった。

「ごめんなさい、先にお風呂入っちゃって」

「いいの いいの!!私、見たいテレビあったし」

申し訳なさげに言ったルカにメイコは笑顔で首を振る。

「あれ・・・メイコさん・・・」

メイコの手に持っていた物が気になったのか、ルカは言った。

「それ・・・カイト君のアイス・・・よね」

「ん?そうよ。ルカちゃんもどう?冷凍庫にあるわよ」

「カイト君に怒られそうだから・・・私は遠慮しとく」

メイコの言葉にルカは首を振る。

「そう?だったら・・・私の1口あげる!!」

「ありがとう」

メイコは言い、ルカに1口アイスをあげた。

「・・・・・・抹茶?」

口に広がった味にルカは言う。

「あ・・・もしかして苦手だった?カイトのお気に入りなのよ。抹茶」

「大丈夫・・・でも・・・意外。カイト君、抹茶が好きなんて」

メイコの言葉にルカは驚いたように言った。

「そうよねー・・・でも、何かと必ず抹茶のアイス買うのよ・・・カイト」

「何か理由でもあるんじゃ・・・」

「なのかしらねぇ」

「・・・メイコさんとカイト君は・・・1番長くこの家に・・・」

ルカは言う。

「ええ。本当に色々あったのよ。初めなんか、喧嘩ばっかりだったわ」

メイコは頷き、懐かしそうに目を細めている。

ルカは微笑んだ。

「そうなんだ・・・」

「まぁ、今でも多少は喧嘩したりするけど、ね!!」

メイコも言いニッコリと笑う。

しばらくしてルカは居間から出て行った。

1人になったメイコは、抹茶のカップを見つめる。

「・・・本当に・・・抹茶に何かあるのかしら・・・」

彼女は呟いた。

その時。

「・・・また僕のアイスを勝手に食べて・・・」












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