Clap Novel

□1月拍手まとめ
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*ルカ目線です(^^)













・・・私達の世界に雪が降った。

ここ数日、寒い日が続いたからひょっとしたら・・・とは思っていたけれど、どうやら予想は当たったらしい。

仕事帰り。

駅の前。

今日は外での仕事で、朝は晴れていたから傘なんて持っていない。

まぁ・・・どうしようかなんていう心配はしない。

する必要がないもの。

どうしてか?

・・・・それは。

「あっ!!いたいた!!ルカー!!!」

聞きなれた低い声に靡く紫色の髪。

雪が積もっているというのに、その足取りは実に安定していて、真っ直ぐに私の元へと向かって来た。

「・・・・がくぽ」

私は言う。

その言葉に彼の顔が綻んだ。

続いて、私の寂しい首元に気付いたのかこう尋ねられる。

「マフラーは?」

「つけてない」

「何で」

「髪が絡まって鬱陶しいし・・・静電気がパチパチして気持ち悪い」

私の答えに紫なすび・・・もとい、がくぽは困ったように笑うと、いつの間に鞄から出したのか・・・マフラーを手際良く私の首に巻いていく。

「マフラーが嫌いな女の子なんて・・・聞いた事ないよ」

そんな事言われても、嫌いなものは嫌いなんだもの。

何も言わずにそっぽを向いていると、今度は手を引かれた。

「ほら・・・帰るぞ」

「・・・・うん」

がくぽの手はいつも温かい。

私の手は体の血の巡りが悪い影響で、いつも冷たいから彼のこの温かさが羨ましい。

最も、自分の手が冷たいからこの温もりを愛しく感じてしまうのかもしれないけれど・・・。

早く、温かい家に帰りたいな。

そんな事を考えてがくぽとは口を聞かず数十分。

不意に、彼の足が止まった。

「・・・・ルカ」

「・・・・ん?」

「ちょっとこっち」

手を引かれてやってきたのはとある公園だった。

確か、前にがちゃぽ君と一緒に来た事がある。

ただ、その時と違い一面雪に覆われていて、そこは真っ白になっていた。

「俺さ、こういうトコに足跡つけんの好きなんだよね。ホラ、ルカもおいでよ」

繋がれていた手がほどかれ、がくぽが公園に入っていく。

真っ白だった地面は、たちまち彼の足跡でいっぱいになった。

「がくぽ」

私は言う。

どうしてこう・・・この男はいい歳をこいてこんなにも子供っぽいのだろうか。

そのくせ、たまに全然違う顔を見せるから戴けない。

戴けないというか・・・振り回されるというか・・・眩しい。

彼は、私には無いものを持っているから。

「・・・がくぽ」

もう1度私は言う。

彼は笑って、私の隣に立つと空を見上げた。

「・・・静かだな。こう・・・あっという間に積もるから・・・雪は凄い」

「静かなのは・・・雪が音を吸うからでしょ?」

「そうそう」

「私は・・・怖い」

思った事を口に出してみる。

周りの音を吸って、知らないうちに積もって・・・そんなの、不安過ぎる。

一人きりの世界のような気がして嫌だった。

「・・・・ルカ」

優しい声に顔を上げれば、彼が両手で私の頬を包み込む。

あぁ、温かいな。

「そんな事言うなよ。雪はいずれ止むし・・・楽しい遊びだって沢山ある。雪の結晶なんて、凄く綺麗なんだぜ?」

本当に・・・この男は凄いと思う。

同時に、彼の優しさが理解出来る気がした。

がくぽは、絶対に物事を後ろ向きには捉えない。

私には難しい・・・おそらく、真似は出来ないであろう考え方。

羨ましい。

愛しい。

「それに・・・大丈夫だよ。ルカの声は・・・ちゃんと届いてる。聞こえてるよ」

・・・・ああ。

がくぽはいつも私の1番欲しい言葉をくれる。

・・・どうしていいかわからなくなる。

優し、過ぎるんだもの。

どれだけ虚勢を張ったところで、それは全て崩れて体が動いてしまう。

彼を・・・がくぽを求めてしまう。

「・・・・・・おいで」

そんな私を、いつも彼は笑って受け止めてくれるのだ。

「私も・・・雪を喜べる日が来るのかな」

「案外・・・直ぐに来るかもな。俺がいるもん。雪合戦しよう、な?」

「・・・・雪だるまがいい」

「・・・じゃあ雪だるまで」

そんな会話に、私は小さく笑うとがくぽにギュッと抱きついた。

力を込めたつもりなのに、少しも動かない体が恨めしい。

本当に、この男には勝てない気がする。

一回位ギャフンと言わせてみたいものだ。

「さて・・・もう少しこうしてる?それとも・・・もう行く?」

「・・・わかってるくせに」

「一応だって、一応」

そうは言うけど、腕の力は全然緩んでいないもの。

もう少し、甘えてもいいって証拠でしょ?

因みに、ありがとうだなんて、さっきの言葉が嬉しかっただなんて、絶対に言ってあげないんだから!!!










・・・fin...


***************

眠気から生まれたノリ(意味不)から生まれたお話。
延々イチャイチャと甘過ぎる出来に(笑)
まぁ 2人が幸せなら私は全然構わないんですけどねwww

さて、次ページは我がサイトヒロイン、ルカさん誕生日編です!!!

どうぞ♪






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