Clap Novel

□1月拍手まとめ
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―――巡り巡って
       ようやく出逢えた
              愛しき君へ。











1月29日。

あと数分で、日付が変わろうというそんな時間。

ベッドに潜り、今正に眠りに落ちようとウトウトしていたルカの意識を、ドアのノックの音が覚醒させた。

「・・・・・っ・・・・・」

何事かと思い彼女は顔を上げたが、温かいベッドからどうしても出る気になれない。

訪ね人はおそらく・・・・・。

ならば、明日ちゃんと理由を話せばきっと許してくれるだろう。

そう思って、ルカは無視を決めこむ事にした。

しかし、音は止むどころか一層激しさを増して彼女の部屋に響き渡る。

このままでは、他の皆も起こしかねないような騒音。

ルカの我慢ももう限界だった。

勢いよく部屋のドアを開け、声をあげる。

「ちょっと!!!今何時だと思ってるのよ!!!!皆にめいわ「良かったぁ間に合った!!!!はぁ・・・焦った・・・」

さえぎられた声に視界に飛び込んできた紫。

ルカは大きく目を見開いた。

それもそのはず。

彼女の体は部屋に飛び込んできた張本人・・・がくぽによって、しっかりと抱きしめられていたのだから。

「がっ・・・がく「5」

再びルカの言葉をさえぎって続けられたのはカウントダウン。

一体、この男は何を考えているのだろう。

困惑する彼女に構わず、カウントダウンは進む。

「4、3、2・・・1!!」

そして、ゼロのかけ声と共にルカはがくぽの腕から解放された。

しかし、彼の腕は未だしっかりと彼女を掴んでいる。

真っ直ぐにルカを見つめ、笑顔でがくぽは言った。

「1月30日、誕生日おめでとう♪ルカ」

「・・・・・・え・・・・・・」

その言葉にルカの目が再び大きく見開かれる。

訳がわからず、口をぱくぱくとしか動かせない彼女を見、がくぽが首を傾げた。

「ルカ・・・もしかして忘れてる・・・?」

「なっ・・・何・・・を?」

「自分の・・・誕生日」

彼の言葉にルカは自分の記憶を辿る。

そういえば、最近周りが騒がしかった気がしないでもない。

合唱で一緒に仕事をした巡音ルカは、『マスターと誕生日パーティーをするの!!!』とか言っていたし・・・

「・・・・誕生日」

オウム返しでその単語を口にしたルカを優しく撫で、がくぽは言った。

「・・・そう。今日はルカの誕生日・・・お前が生まれた日だよ」

「何で・・・がくぽがその事を・・・?」

ルカは問う。

彼女が自分の誕生日に関心が薄いのは、自分が一家にインストールされた日が別の日だったからだ。

まさか、自分自身が生まれた日の事を知っているなんて・・・

そんな彼女の様子に、がくぽは苦笑して答えた。

「当たり前だよ。ルカだって、俺の誕生日祝ってくれたじゃないか。それに・・・皆だって祝う気満々だぞ。で、俺は1番に祝いたかったから、強引にお邪魔させていただいた訳で・・・・」

「それはがくぽの「俺も、インストールされた日は自分の誕生日じゃなかったよ」

ルカは驚いたようにがくぽを見上げる。

「まさか本当に誕生日忘れてたなんて・・・てか、知らなかったの?」

優しく細められた瞳。

そんな彼の姿に、ルカはある事に気づいた。

いつも温かいはずのがくぽの体がやけに冷たいし、少しばかり息も荒い気がする。

そして、今日は仕事が遅くなるかもと言って家を出ていた・・・

「がくぽ・・・まさか・・・!!!」

目を見開いてルカは言う。

「・・・どうして・・・!?」

がくぽは家に着いたその足で、自分に会いに来てくれたのだ。

「どうしてって・・・言ったじゃん。1番に祝いたかったんだって」

「そんな・・・いい・・・!!そんなにしてくれなくても「そんな事・・・言うなよ」

そんな彼を気遣うようにルカは言うが、その言葉はまたしてもさえぎられてしまう。

引き寄せられ、気づいた時にはがくぽの顔が目の前に迫っていた。

優しい手付きで顔の輪郭をなぞられ、顎を上げさせられる。

瞬間。

ルカの唇に彼の唇が重なった。

動きたくても、自分の体は・・・頭も、がくぽによってしっかり固定されている。

―――永い。キスが、永い。

「・・・っ・・・んんっ・・・」

息が苦しくて、思わず彼女は声をあげる。

それに気づいたのか、がくぽの腕の力が緩んだ。

「・・・はぁ・・・っ・・・ぁ・・・「あー・・・ごめん、ね?苦しかった?つい、いつもの調子で・・・」

「・・・いつもって・・・何」

「・・・え、おはようのちゅ「言わなくていいっ・・・!!!」

顔を真っ赤にして言うルカに彼は微笑む。

彼女には悪いが、まだまだ解放する気はない。

続いて、がくぽはまだ息の整っていないルカをきつく抱きしめる。

「なっ・・・苦しっ・・・「ルカ」

身動ぎをする彼女に構わず、彼は耳元で囁いた。

「俺に・・・・逢いに来てくれてありがとう」

その言葉に、ルカの動きが止まる。

「ルカに逢えて・・・・・嬉しい」

沈黙。

「・・・あれ・・・?ルカさ「馬鹿ぁ・・・!!!!」

キョトンとして声をあげたがくぽをルカがさえぎる。

「何・・・何それっ・・・そんな事いっ・・・言わっ・・・」

見開かれるがくぽの目。

彼女・・・ルカは泣いていたのだ。

「え!?ルカさ「どうしていいか・・・わかんないじゃないっ・・・馬鹿じゃないの・・・?馬鹿ぁ!!クソなすびぃ・・・!!!!」

ルカは声をあげる。

素直じゃないのに、こんな自分なのにがくぽは言ってくれたのだ。

――逢いに来てくれてありがとう、逢えて嬉しい と――

その言葉は、彼女にとって嬉しいという言葉以外では表せないものだった。

「馬鹿ぁ・・・!!!どうしてくれるのよぉっ・・・!!!」

その想いが大粒の涙となり、頬を伝っていく。

「ちょ・・・え!?ルカ、ルカ待って!!何でお前泣い・・・おい、泣きやめってば、ね?ルカ、ほら、ルカさん?」

そんなルカにがくぽは慌てて言い、あやすように背中を擦る。

まさか泣くとは思っていなかった。

なんとかして彼女を泣き止ませなければ・・・。

「えぇと・・・下に買ってきたケー・・・キあるけど太るか・・・」

そうは思うものの、いい言葉が見つからない。

「じゃあ・・・添い寝・・・とか「食べる・・・っ」

「・・・え・・・?」

さえぎられた言葉にがくぽは目を見開く。

ルカはしゃくり上げながら続けた。

「・・・ケーキっ・・・添い寝・・・添い寝もしろっ・・・後それから・・・今日は・・・1日付き合ってもらうからっ・・・プレゼントもっ・・・行きたいトコ行って・・・それから、それから「うん」

彼女の言葉にがくぽははっきりと言った。

「・・・他には?他にはないの?」

流れる涙を拭いながら、続けてそう尋ねる。

「・・・連れてって・・・」

「・・・うん?」

「下っ・・・ケーキっ・・・食べるんだからっ・・・」

「・・・お姫様抱っこで・・・いい?」

「・・・任せる・・・」

「・・・じゃあそういう事で」

言うなり、がくぽはルカを抱き上げた。

相変わらず彼女は泣いていたが、どこか表情は幸せそうだ。

「・・・今は・・・これだけでいい」

「他にもあるって事?・・・まぁいいや。じゃあ・・・俺からもいい?」

「・・・・何?」

「そろそろ、笑った顔を見せてよ。それから・・・・」




















―――プレゼントは、俺でもいいですか?

















(・・・・ナスはいらない)
(・・・・俺はナスじゃねぇ!!!)





*************

とにかく愛が暴走した結果生まれた作品です。
私の想いもがくぽが代弁・・・してくれたかな?←
まぁ、これからも仲良く・・・していって欲しいですね。
ハイ。

ではでは、長文でしたが閲覧ありがとうございました!!!








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