ジパング〜神々の島〜

□第2話:落下
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一同が見守る中、少年はゆっくりと目を開けた。
それからむくりと身を起こし、おもむろに四肢を突っ張って、思い切り伸びをした。

どこか超然とした少年の様子に呑まれた形で、一同は無言のまま顔を見合わせた。
…いや、まったく呑まれていない者が約一名。
「お前、誰だ?」
少年の傍らにしゃがみこみ、いかにも興味津々といった顔で問いを発した人物。
麦わら海賊団船長、ルフィである。

「…ああ?」
見るからに寝惚け眼な視線をルフィに向け、少年はいきなりその場から飛びずさった。
今度こそやっと、本当に目を覚ましたらしい。

「貴様…いつの間にわたしをここへ…」
「寝てる間。」
あっさりとルフィが答えた。
ていうかルフィにあんな激しい運ばれ方されといて寝てんなよ、とは、ウソップの心の声。

少年は鋭い目付きで一同を一瞥した。
その間も油断なく身構えている。腕を胸の前で交差させ、両手の指の間には鋭く光る物があった。短刀よりも、さらに小振りな刃だ。

少年のただならぬ様子に、とっさに身構えた一同だったが、警戒心を剥き出しにしてにらみつけてくる少年の顔にはまだ幼さが残っている。
年の頃は、ルフィと同年といったところだろう。
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