ただ好きと言うだけで、何でこんなに赤面しなきゃいけないんだろう。
ぎゅっと目をつぶって、ふにっとした感触が唇にあたる。
その後に口を割って入ってきた何かは、いつもの事で。大人なキス。

私はどうやら、あなただからこんなになってしまうみたいです。

あなただけだよ。ねぇ、知ってた?いつまでも純粋でなんかいられないの。
もっと、欲しいよ。もっと……もっと、ね?







         二人の世界







「棗ぇ、蜜柑だよー?入るよー?」


今日は返ってきたテストがあまりにも悲惨だったウチの為に、
棗が勉強を教えてくれるって約束をしたんだ。高等部にあがってから、
そりゃあ初等部の頃よりはましになったけど、テストの点は下から数えた方が早い。
ウチは無効化って事で最初は色々ひいきとか大変な事があったけど、
今はそれもなくて、とっても平和。今年は勉強に専念しなきゃ、って思う。

ノックしても返事がなくて、ウチはハテナと思いつつ無遠慮にドアを開ける。
と、いきなり入ってきたモノに目が点になってしまった。


「な、ななななつめぇ!!??」
「あ、みかんか?」


いやいや、みかんか?じゃなくって!ウチは焦りながら、棗に言う……もとい叫び?


「何で裸なん?!」


そう、裸なんだ―――上半身が。ちゃんと下は制服着てるけど。
大人になりつつある身体を目の前にウチはたじたじになってしまう。
それにしても、本当に綺麗な身体してるなと、心の底の底で思ってしまった。


「悪い、着替え中だったんだ」
「そうならそうと言わんかい!」
「っていうかお前が勝手に入ってきたのが悪いんだろ?」
「なッ?!ウチはちゃんとノックしたわ!」
「そうか?聞こえなかったぞ」


ニヤリと不敵な笑み。ウチは顔が真っ赤になってしまう。

(男なんだよね棗は……)

なんて、当たり前な事を思ってしまった。棗は身長も伸びて、
立派な男になっている。でもウチは?ウチはまだ子供なんじゃ……。
きゅうっと胸が締め付けられる。ウチはちゃんと、棗と釣り合う女なの?


「……よっと、あー今日は疲れたな」


制服をまた着て、そんな事を呟いてる。あーもう、だからそんなかっこよく言わないでよ。
ドキドキしちゃうんだからね。分かってるの?分かっててやってるの?
だったらどこまで変態なんだか。……ウチも、ね。


「……棗……ってきゃああ!!??」
「あー、落ち着く」


棗、じゃあ勉強しようって言おうとした時、棗に強引に腕を引っ張られた。
そしてそのままポスッと棗の腕の中に収まる。
別にこうされるのは嫌じゃない、もとい嬉しいのだけれど。


「どうしたん?棗」
「…………」
「なぁ、ちょっと?」
「……なぁって思って」


え?よく聞こえないんだけど。腕の力が強くなって、ぎゅぎゅっと抱きしめられる。
ちょっと、苦しいんですけど!拳でポカポカと棗の胸を叩いても
解放されなくて、手で押し返して離れようと思ったけど、無理で。
抱きしめられる事は多々あるけど、こんな棗は初めてだ。


「みかん、」
「な、何?」
「………ん」


今度はキスだった。そのままペタンと床に座る。近くにあったベッドに
背中をくっつけて、キスを続ける。ウチも年頃の女子だから
やっぱりそういう変な欲望ってのがあって。口を割って入ってきた
舌に自分の舌を絡ませて、何度もキスをする。熱いよ。
くちゅくちゅっといやらしい音が部屋に響く。
制服のリボンを外されて、少し露になった身体にキスがきた。


「う……んぅ……」
「みか、ん」


そんな切なそうに言わないでほしいのに。あー、勉強はどうするんだろう。
明日に延期?ひどい、折角重いテキスト持ってきたのに。
そんな事を考える頭と、ねぇ、もっと欲しいよもっと、と。
狂ってしまいそうなほど、甘いものがほしいと願う頭と。


「ちょ、……も…やぁ……!」


ベッドの上に乗せられて、片手で両手を上で押さえつけられた。
ウチが反射的に身をよじらせた時、スカートがめくれて、
脚や下着が露になってしまった。恥ずかしくて、目をつぶると、
下の方を手で愛撫されて、出したくない声を出してしまう。


あぁ、もうだめ。


いやらしい音が響いて、荒い息が大きくなっていく。下着を
脱がされて直に触れられたとき、ビクンッと反応した
変な身体。何かが解放されたみたいに、ドッドっと溢れる
とろとろとした液体が腿につたい落ちる。キモチガイイ。


「ん、あああぁあぁぁ……ッ!」


棗のモノがソレの中に入った時、絶頂をむかえた。










「―――って、勉強はどうするのぉ?!」
「何言ってんだ、今のはれっきとした勉強だぞ」
「どこが?!」
「保健体育、性についての勉強」


棗の頭をボカッと叩く。ウチは保健体育の勉強しにきたんじゃないのに。
よれよれになった制服を着ながら、ぶつくさと呟く。
でもまぁ、すっごい久しぶりだったから、いい……って!よくないってば!


「気持ちよかったなら別にいいだろ?」
「な、なななな?!……うぅ……」
「図星か」
「ち、違う!」





結局ウチは、それから保健体育の勉強しかできなかった。あー、もう!
このよれた制服どうしてくれるんだ、後はキスマーク。
明日教室に行ったら絶対にひやかされる、間違いなく。






あとがき

なつみかんで甘甘小説…最終的に蜜柑は棗にお持ち帰りされる小説を。
っていうリクエストをもらったのですが、お持ち帰りってのは一体…?(汗)
お持ち帰り=微裏っていう事ですかね?そうですよね!って事で
こんな感じになりました、一応あまーい感じに書いたつもりなんですが、
ど、どうでしょう?(びくびく)よかったら是非この小説を
お持ち帰り(笑)して下さいな。リクエストありがとうございました!

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