生徒和谷×先生伊角さんパラレル

□わるいこ先生☆
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そこは夏休みに改装されていた。年末の声を聞いても塗料や建材の化学的な匂いが抜けないので、「ここでシンナーやってもわかんねえな」、とうそぶいた問題生徒の事を伊角は思い出す。
「こんな所で…?」
個室に押し込まれ、つい本音が漏れた。
「文句言わない」
素早く鍵をかけた和谷が、便座の横のタイル壁に強引に伊角を押し付けて飢えた様に吐息を寄せる。
「…っ」
「せんせ…」
伊角は両手首を半分万歳状態で拘束され、歯列を割ってきた恋人に応じるしかなくなる。
「ん、ん…んは…」
舌を絡める小さな水音が頭に響いた。
緊張と深いキスでの酸素不足に、真面目な教師がいっぱいいっぱいになるのはいつもの事だ。和谷は舌を解放し、呼吸をできる間を作ってやる。でも離したくないので、伊角の口唇の輪郭を舌でなぞったりしながら。
「…授業中、たまんなかった」
「…なにが…」
「先生とヤりたくてさ」
「あのな…」
何事も直球な生徒が何を考えて教壇の自分を見ていたのか、伊角とて全く知らない訳ではない。逆によく知っているから、できるだけ見ない様にして授業していた。
「ちょー切なかった」
「ばか…」
若いだけ、性欲と恋が直結している。
だが何故、和谷が自分を選ぶのか伊角には理解できない。何度も熱く説明されて、その度にわかった様な気にはなるが、少しすると和谷に丸め込まれただけの様な甘くて痛い気持ちが湧いてくる。
「ん…和谷」
和谷を疑う訳ではない。ただ、いつか和谷がこの恋を後悔するのではないかと、伊角はそれだけが怖かった。
「え、ちょい待っ…」
「…」
伊角は体格の差を久々に利用して、和谷の襟首を掴み逆の壁に追い詰める。
「先生…?」
身体を重ねる時も、彼を『被害者』にしない様にと思ってきた。極端に受け身でいるのはその為だと。
「和谷、…してやるから」
とても生徒の目を見られず、伊角はその跳ねた髪にキスをして学ラン越しに主張している性器を探る。
「え…、え?」
授業中、…たかったのはお前だけじゃない。和谷は早口で告げられ、場所を構わず跪いた教師にジッパーを下ろされようと、した。
したが、膨らんだ欲望は本人が開かないと怪我がありそうだ、と伊角は気付く。
「…」
「あ、あのさ、自分で出す…けどさ」
いたたまれない間が空き、性があらわになった。
「けど何で、せんせ…っ?!」
疑問をさしはさむ余地を与えず、伊角は和谷を口に含む。
「…っ、マジ何で、せん…せ」
若い、剥き出した皮膚に淫蕩に舌を這わせる。裏筋を辿り、飲み込む様に喉の奥を動かした。
「ん…んぅ…」
根元まで口に入ったそれは、すぐに大きく成長して伊角の口内を熱く圧迫する。
「ね、ヤバいって先生、…うぁ…」
歯を立てないように、頭を前後して肉棒を口唇と舌で扱いた。
和谷を見上げると、まだ幼い、泣き出しそうな瞳と出会う。不道徳な真似をして無理矢理に彼を大人にしているのは、教師である自分なのだ。
「ん…ふ」
伊角は長い指で、蒸れたボクサーからはみ出た陰嚢を揉みだした。
和谷を傷つけない為と言いながら、実は自分の心と立場が傷つかない様に、主導権を握らせていた。
それに気付いたのはごく最近だ。
「あ、伊角、先生…っ」
しつこく、和谷の亀頭を舌でなぶる。
教師としての気持ちと規範を盾に、彼を存分に愛せないのはもう耐えられない。
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