ヤコフ詩集

□ヤコフの詩4
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甘い蜜に吸い寄せられる蜂の様に
何度でも求めてしまう世界は灰色で
区別されない事は別の意味での不自由だと
空に叫ぶ無意味さに涙した

理想なんてただの絵空事で
永遠の孤独の中の慰めでしかない
今生きる為にでっちあげた愚かな嘘は
縋りつく価値も無い程醜く歪んでる

手を伸ばす 汚れた闇の隙間に向かって
掴みとる綺麗事はほんの欠けらだとしても
開かれる事の無いドアを蹴りつけて
自分の居場所がここだと言いたい いつか

縛られた人格の海で強さを探す
たとえ出来の悪い歪んだ自分でも
繰り返す過ちを悔やまないから
前に進める筈だと暗示をかける

高い壁の無効化を願い撃ち続ける拳は
既に砕けた心の替りでしかないから
実現出来ない愚かな行為だと
笑う人が居てくれればと何度も望む

茨の道を歩む事を選んだ
あの日の決断は確実に間違いで
誠実な程に絡み付く刺の感触
愛しく思えるにはまだ届かなくて

全身を駈ける衝動に委ねる恐さを
体験として思い出せる理性が憎い
荒削りで幼稚な罪だと誰かが言う
重さを計るのはいつだって自分自身なのに
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