IS小説2
□第一章IS学園入学、そして出会い。
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俺は2人の背中を追い続けた。
1人は、俺の姉である織斑千冬。
そしてもう1人は篠ノ乃束。
2人は俺の大切な人達であり憧れの人でもあった。
この2人はのちに世界を変える、いや変えてしまう出来事を起こしてしまう。
それは白騎士事件、束さんが作ったインフィニット・ストラトス、通称IS。
本来は宇宙の為に開発されたパワードスーツだが世界は厳しかった……。
ISを認めようとせずただ束さんの戯れ言として処理した。
その事がきっかけかはよくわからなかったがただ言える事は強引な手段でISを認めさせた。しかもテロに近い形の自作自演だ。
白騎士事件を目の当たりにした時、ただ悲しかった……白騎士は誰かわからないよう顔を隠していたが俺は千冬姉だとわかってしまった。
白騎士事件の後ISは世界で認められようになり、世界も変わった。ISは女性しか扱う事が出来ないので女尊男卑になってしまった。
それどころか本来の目的から掛け離れて兵器として扱う事となり、歪んだ形で世界は変わった。
それから束さんは行方をくらませ、篠ノ乃家はバラバラになり、箒とも離ればなれになった。
こんな事になってしまい改めて白騎士事件は間違っていた事を確信し、この事件をひき起こしてしまった千冬姉と束さんを止める事が出来なかった自分を悔やんだ………。
それから俺は猛勉強し、体を鍛えてたりして必死に努力した。
周りから心配されたり、気を使われたりしたが俺はそんなに気にならなかった。
もしかしたら白騎士事件で2人は恨まれているかもしれない、それで命を狙われるのなら少しでも守れたり、心の支えに慣れればいい。
それだけが俺の中で決めた覚悟だ!!
―と、思っていた決意はおもいっきり心折れそうです……。
そう何故なら―
「はい皆さん入学おめでとうございます。これからSHRを始めますよ」
何で俺IS学園に入学してんだよぉぉぉぉっ!?
しかも周りが女子しかいないからスッゴい気まずいんだよ!!
俺、何かしましたか?俺が悪いことしたなら謝ります…………ごめんなさい……。
誰か助けて欲しいただそれだけです!!
ふと窓側を見ると幼なじみの篠ノ之箒を見つけた。
箒は視線に気付いたのか俺の方に顔を向けて微笑み声にださずに口を動かした。
が・ん・ば・れかよ……薄情だな……まあ、無反応よりは幾分かはマシといえばマシかもしれないな……。
「……くん。織斑一夏くん!」
「は、はいっ!?」
突然呼ばれて思わず声が裏返ってしまった。よく見ると目の前の副担任が俺に向けての視線がわかる。
「と、突然大声をあげてゴメンね。えっと今自己紹介をしていて次は織斑くんの番ですよ」
「わ、わかりました。今します!」
副担任の山田先生に言われて席を立ち上がり後ろを振り向くと俺に向かっての視線地獄が襲う。
うん………無理だわこれ………帰りたい……、でも自己紹介しなきゃな……ははは……。
「お、織斑一夏です。よ、よろしくお願いいたします」
と、とりあえずは無難に頭を下げて終わろうとしていたが女子達の期待に満ち溢れた視線に再び固まってしまった。
お願いだからそんな目で見ないでくれ……俺は皆の期待には応えられないんだ!
すでに俺の頭の中はすでに真っ白なのでもう何も思い浮かばない………なのでここは
「い、以上です」
伝家の宝刀強制終了を使った。
ガタガタンとズッコケる人達がいたが俺に期待を込められても無理なんだよ!!
今の俺は豆腐メンタル中ですぐにでもぐちゃぐちゃに崩れそうです……。
「お前は自己紹介も満足に出来んのか?」
「へっ?」
突如として背後から声がかかったので振り向くとそこには―
「ち、千冬姉!?」
そう俺の姉である織斑千冬の姿がいた。
黒のスーツにタイトスカートの上につり目が凛々しさを引き立てている。
「な、何でここにいるんだよ千冬ね……んっ!?」
とりあえず俺は真っ先に疑問に思った事を言おうとしたら千冬姉が人差し指で俺の口を抑えて黙らせた。
「織斑先生だ。ここでは私は教師であり、このクラスの担任だ。少し前からこの学園の教師をしている。わかったか?」
千冬姉の説明に俺はうんうんと首を縦に振ると満足したのか指を離して教卓に向かう。
「諸君、私がこのクラスの担任を受け持つ織斑千冬だ。私の仕事はISについて正しい知識と実力を身に付けてもらう。わからなければ私と副担任である山田先生に聞くように。しっかりと指導していくからちゃんと着いていくようにしろ!以上だ!!」
ビシッとそう宣言するとクラス中から黄色い悲鳴が響き渡り、SHRは終了となり。
千冬姉登場から俺は呆然としていて時間がたっていた事を忘れていたのだった。