リリなの小説(stsパラレル)

□第1話
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ある日の晴れた昼休み

「……いい天気だな」

少年は空を眺めそう呟いた

黒髪で顔立ちは整っており誰かしらが振り返る訳ではないがそれなりの美形である

「今日の授業は午前で終わりだしな……」

「裄哉、ここにいたの」

「探したよ〜」

背後から声が掛かり、振り返ると2人の少女が立っていた

1人は腰まで伸びた黒髪に大人びた容姿、もう1人は愛くるしい顔にボブショートだった

「紗那か……、どうした?」

「どうした?じゃないよ、忘れたの約束?」

裄哉の言葉に少し不満げに応える悠子

「約束?何かあったか?」

腕を組みそう答える裄哉

「また新作が出たから一緒に見ようって事よ」

「またか……」

紗那の発言に額を手に当て呆れた表情を浮かべた

「いいから、いいから面白いから行こ行こ」

「わかったから押すな……」

悠子は裄哉の背後に周り強引に押し出され渋々付き合う事になった

「……でやっぱりここか……」

裄哉は自宅に帰り部屋に戻って私服に着替えリビングに戻ると

いつの間にかスタンバイしており来るのを待っていた悠子と紗那

「いいじゃない。テレビ大きいし、見応えあるじゃない」

「見るのがアニメじゃなければな……」

「ええ〜?これも面白いよ」

裄哉は呆れた表情でそう告げると悠子は不満げに言った

「まあ、いいや。見よ見よ」

DVDプレイヤーを起動し、3人で見る事になった

「はあ〜、面白がった〜〜」

見終えて満足げな表情で言う悠子

「あ〜、よかったな……」

途中から飽き始めた裄哉は本を読みつつそう返事した

「あ―!またやってる」

「何だ?」

「もうっ!せっかく面白いの用意したのに何で最後まで見ないの―――!」

悠子は腰を手に当て、頬を膨らませて怒りの表情を浮かべた

「内容が面白くないからだ……」

「何で!?ストーリーも画もいいじゃない何が不満?」

「だいたい魔法なんて有り得ない物を題材にされても理解に苦しむ」

「何でだよ〜!今までの魔法少女物とは違って内容はシリアスじゃんか!」

「まあ、確かにな……」

悠子は尚も不機嫌な表情で裄哉を見詰める

「私は面白いと思うわ」

「でしょ!わかってないよ裄哉は!」

「悪かったな……」

今まで会話に入ってこなかった紗那の言葉に悠子は歓喜の表情でに寄り添った

「お前も無理に付き合わなくていいんだぞ」

「どういう意味だよ―――!!!」

悠子は裄哉の言葉にキレだしてしまい口喧嘩が始まってしまうのだった

「ふふっ……」

その光景を見つめて紗那は微笑みを浮かべた
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